誰でも自分の事は大切ですが、そんな大切な自分を傷つけたり自分に不利になるようなことをわざと自分で自分にしてしまう場合があります。

それが「自暴自棄」です。

冷静になってみると馬鹿馬鹿しい行動ですが、なぜ人は自暴自棄になってしまうのでしょうか。

 

この記事では自暴自棄に陥ってしまう原因や心理、特徴についてくわしくご紹介します。

 

自暴自棄を脱却するための方法も解説しますので、もしもの時の参考にご覧下さい。

恋愛や仕事で上手くいかなくなったときの助けになります。

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自暴自棄の意味とは?

 

自暴自棄とは、自分自身を粗末に扱っても構わないと思うほど、希望を失った状態を指す言葉です。

 

具体的には体を壊すほどお酒を飲み過ぎてしまったり、自分自身を傷つけるような行動を取ります。

やけくそな状態とも呼べます。

 

通常であれば、人間は意図的にも無意識的にも自分自身を大切にします。

 

しかし自分自身やその未来に失望したり、失意のどん底にあり自分自身の価値を見失った状況下では自分自身でさえ粗末な扱いになってしまうほど気持ちが荒れてしまうのです。

 

自暴自棄になってしまうとやぶれかぶれで捨て鉢な行動をとるなど、一見すると破滅的なふるまいになります。

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自暴自棄な時の心理はこんな状況

 

自暴自棄に陥ってしまう場合の心理についてくわしく見ていきましょう。

 

心と現実を一致させたがっている

人間は現実とは異なる自分の考えをもっていることがよくあります。

すると心理的に、現実と気持ちのギャップを埋めようとする傾向があるのです。

 

つまり脳が考える「あるべき姿」に自分自身を近付けようとします。

 

通常は自分の思い描く理想の姿に現実を近付けるように努力するものですが、自分では頑張っているのになかなか理想を実現できないことがあります。

 

そうなると「こんなに頑張ってもダメな自分は実際にダメな人間なんだ」と思い込み、ダメな行動をとってしまうのです。

「思い通りにいかない私」という罪悪感が、自暴自棄な行動へと駆り立てます。

 

自己嫌悪で悪循環に陥る

失敗したり物事が上手くいかないと、「自分は何をしてもダメな人間なんだ」という自己嫌悪に陥ります。

すると無意識的に「ダメな自分」に自分で自分に罰を与えてしまいます。

 

それが自暴自棄な行動につながります。

そして自暴自棄な行動を取ればますます自分に対する自己嫌悪感は高まり、悪循環を生み出します。

 

怒りが自暴自棄な行動を生み出す

現実が思い通りにいかない原因が自分ではなく別のものにあると感じる場合もあります。

その場合も、現実に対する抵抗の気持ちから自暴自棄な行動を取ってしまいます。

 

自分で自分を損なう自傷行為のような行動をとることで、社会や周囲の人間に対する怒りを逸らしている状態ともいえます。

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身近にある自暴自棄の5つの原因

 

自暴自棄に陥ってしまう原因は身近にたくさんあります。

具体的にはどんなものがあるのか見ていきましょう。

 

自尊心が傷つけられた

人間は心理状態と現実を一致させようと行動しがちです。

 

そのため自分が思い描いている自分自身の評価が現実世界でもなされないと「自分はもしかして無価値なのか」「無価値な自分は何をしてもダメになるに違いない」と考え自暴自棄に陥りやすくなります。

 

自分の価値がなかなか認めてもらえないと、自分で自分を貶めるような行動をとってしまうのです。

 

裏切り行為にあった

人間は裏切り行為を経験すると、自分は価値のない人間であると感じやすくなります。

その結果、自暴自棄に陥ってしまうのです。

 

また具体的な裏切りがなくても、期待通りの結果が出ない場合も「裏切られた」と感じ自暴自棄になりやすいです。

たとえば好きな人がいてもその人に振り向いてもらえなかったり失恋した場合も、自分の期待や理想が「裏切られた」と感じるのです。

 

恋愛以外にも、「これだけ頑張ったから次の昇進時期は出世するに違いない」と考えていたのに自分以外の人間が出世してしまった場合なども「裏切られた」と感じます。

 

このように自分の気持ちや考えが妨げられたと感じた場合に自暴自棄に陥りやすくなります。

 

人間関係につまづいた

他人の心は自分の思い通りにならないものです。

そのため人間関係が悪化してしまったり、何か失敗して挽回できなかったりするとどのように対処していいのか分からず自暴自棄に陥ってしまいます。

 

友人間のトラブルや家族の不和、恋人と上手くいかなくなったなど人間関係の問題は日常的に起こりうるため、自暴自棄に陥るきっかけは数多く転がっているといえます。

 

 

余裕がない

体力的にも精神的にも余裕がない場合、気持ちが追い詰められやすくなっています。

 

たとえば睡眠が足りていない状態で他人から怒号を浴びると、建設的な解決策を探す前にどうすればいいのか分からず自暴自棄な行動に走ってしまいやすくなります。

 

また毎日仕事で残業が続いていたり、重い荷物を運んだりと肉体的な疲労を溜め込んでいる際には、いつもなら受け流せることや解決できるような問題も向き合う精神的な余裕がないために思い詰めやすくなります。

 

何もかもうまくいかない

連続して失敗を経験した場合や、なかなか思い通りに行かない場合は「どうせ何をやっても上手くいかないんだ」と捨て鉢な気持ちに陥りやすくなります。

 

たとえば寝坊した日に限って交通渋滞にはまり忘れ物もしてしまう、そんなことが続けば「自分は何をやってもダメなんだ」と思ってしまいやすくなります。

 

何をやっても上手くいかないせいで、ついつい自暴自棄な行動をとってしまうのです。

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自暴自棄になった時の5つの特徴

 

自暴自棄に陥った際に共通して見られる特徴については次の通りです。

 

自分以外の物事に不満を感じている

自暴自棄な行動を取る人の多くは、社会や自分以外の他人について不満を感じています。

 

現実が自分の思うとおりにいかない原因を、多くの人が自分自身の努力不足や能力が不十分であることではなく「社会の仕組みが悪い」「自分を正当に評価しないあの人が悪い」と社会や他人などにあると考える傾向があります。

 

そのため自暴自棄に陥った場合は、自分以外の物事に対して不満や怒りを覚えているのです。

 

自分の将来に対して希望がもてない

近い将来や未来に自分の置かれた状況が好転する兆しや保証があるのであれば、現状が苦しくても人間は堪え忍ぶ力があります。

 

しかし目標を失ってしまったり、自分の将来の展望に落胆してしまったりすると「今頑張っても意味がない」「ずっと苦しいままだ」と考えてしまい、自暴自棄な行動を取ってしまいます。

 

自信喪失している

自分自身に対して自信喪失していると、「どうせ何をやってもムダ」という気持ちになってしまい、行動が捨て鉢になります。

何か問題が起きても解決できる展望がないため、状況を好転させるための努力を行うだけの気力が湧かず自暴自棄になるのです。

 

欲求不満である

「自分の能力を会社が正当に評価してくれていない」「周りの人間が自分のことを認めてくれていない」という自己承認欲求が満たされていない状態だと、自尊心が損なわれ自暴自棄な行動にはしりがちです。

 

また睡眠欲や食欲などが満たされていない状態だと気持ちに余裕がないため、有効な問題解決策が思い浮かばずに自暴自棄に陥ります。

 

現実逃避しがちである

自暴自棄に陥りやすい人の特徴として、「現実逃避しがち」という点が当てはまります。

 

嫌なことや苦しいことから逃げることを覚えてしまった人は、少しでもラクになろうと問題から目を逸らし逃げだそうとします。

そして逃げ出すことが出来ないとなると、自暴自棄な行動を取り自分自身を破滅させてでも現状から遠ざかろうとするのです。

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恋愛が上手くいかない時に自暴自棄になりやすい

 

自暴自棄に陥る心理や原因、特徴を見ていくと「自分の思い通りに行かない」というキーワードが見えてきます。

 

なかなか自分の思い通りに行かない状況、それが恋愛です。

ずっと好きだった人に失恋した場合、恋人の浮気や裏切りを知ってしまったとき、またなかなか思うような出会いがない場合など、自分の思い通りにいかないことが恋愛にはよくあります。

 

恋人が浮気していた場合、自暴自棄になってゆきずりの相手と関係を持ってしまったり、過度な飲酒で全てを忘れてしまおうとしてアルコール中毒になってしまったり、仕事も趣味も投げやりになってしまうなど、様々な自暴自棄に走ってしまいます。

 

恋愛に積極的であっても消極的であっても、「自分の思うとおりにいかない」故に、誰でも恋愛が原因で自暴自棄に陥りやすくなるのです。

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仕事のミスがきっかけで自暴自棄に陥る人は多い

 

仕事上の失敗は、「しまった」と感じるだけで終わりとはなかなかいきません。

上司の怒りをかえば叱るに留まらず、自分自身の査定にも影響を与えますし、チームに迷惑がかかった場合は「お荷物」と見なされ人間関係にも影響を与えます。

 

そのため仕事でミスをおかさないかストレスに感じたり、失敗から立ち直りきることができずに疲労感を覚えたりして肉体的にも精神的にも疲労してしまいがちです。

 

ストレスが貯まりすぎた結果、自暴自棄に陥りもっと大きなミスをおかす場合もあります。

 

また自分のミスをなかなか受け容れられずずる休みを繰り返してしまいますます出社しにくくなったり、自分の評価を落としてしまったり責任逃れの行動に走ります。

 

自暴自棄から脱却するための対処法5選

 

どうすれば自暴自棄に落ちいた状態から脱却できるのでしょうか。

次の対処方法がおすすめです。

 

現状を受け止める

まずは自分の本心を見つめ、それを受け容れる必要があります。

自分の心を偽ろうとしたり、現状を「こんなはずではない」「私以外が間違っている」と否定しつづけると、心と現実のギャップはますます開いていきます。

 

否定しているだけでは何も解決できず、現状を打破するために自暴自棄に陥るという悪循環を起こしてしまいます。

なぜ自分は苛立っているのか、何に納得していないのか、しっかり自分の気持ちと向き合いましょう。

 

本心を見つけたら、その気持ちをあるがままに受け止めます。

 

そうすることで客観性が取り戻せ、問題を解決するための方法について考えることができます。

自暴自棄な自分を救えるのは自分しかいませんので、客観性を取り戻す事が重要になります。

 

誰かに相談できるようにする

自分一人で不満や不安、心配を溜め込むと煮詰まってしまい現状を打破する良いアイデアは浮かびません。

たとえ相談相手に愚痴的なアドバイスをもらえなくても、誰かに話を聞いてもらうことで冷静さを取り戻すことができます。

 

また悩んでいる自分の気持ちに誰かが共感してくれることで充足感が得られます。

誰かに話すことでカタルシスが得られ、自暴自棄におちいる前に心機一転して問題に前向きに向き合うことができるようになります。

 

ポジティブに考えるようにする

自分の欠陥や社会の仕組みに対して「なぜこんなにもダメなのか」と思い詰めるとストレスだけが増えていきます。

悪い方向に考えるのではなく、良い方向に考えるようにすると心への負担は軽くなります。

 

「どうしてこんなにダメなんだ」とダメな原因を探すよりも、「どのように行動すれば良い方向に変えられるのか」とポジティブに考え行動に移すことで、自暴自棄に陥る事を防げます。

 

 

肩の力を抜く

完璧主義の人ほど、現実と自分の理想のギャップがなかなか埋められず自暴自棄に陥りやすくなります。

しかし実際にはなかなか完璧な人はいないものです。

 

責任感が強いあまり、自分を損なってしまっては本末転倒です。

いい加減な人ほど自分自身を損なうような行動は取りませんが、それは現実に対する責任感を感じていないためです。

 

理想を高く掲げ努力することは素晴らしいことですが、時には肩の力を抜いて「全て完璧にこなさなくてはならない」という思い込みから自分を解き放ってあげましょう。

 

他人と自分を比べない

他人と自分を比べてしまうと、どうしても「私はこんなに頑張っているのに、頑張っていないあの人はなぜみんなから評価されるのか」といった考えに陥りがちです。

 

自分自身への自分からの評価と他人からの評価はなかなか一致しないものです。

人それぞれに個性がありますので、自分と他人を比べて自己嫌悪に陥ったり焦ったりするのはあまり意味がありません。

 

ですから他人と自分を比べないことが、自暴自棄に陥らないようにするためには重要になります。

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自力で自暴自棄を克服できない時は病気も疑ってみる

 

自暴自棄な状況から自分を救うには、自分で何とかするしかありません。

自暴自棄な状況に陥っている場合は他人からの手助けを受け容れられない心理状態にあるからです。

 

しかしどうしても自力で自暴自棄を克服できない場合、もしかしたら病気が原因である可能性もあります。

 

もしも病気が原因で自暴自棄に陥りやすくなっているのであれば、別の対処法が必要です。

どんな病気の可能性があるかは次の通りです。

 

自暴自棄は心の病気の初期症状でもある

自暴自棄がなかなか克服できない場合、うつ病や躁うつ病(双極性障害)といった心の病気の疑いがあります。

またアスペルガー症候群などの脳機能の障害でも引き起こされる可能性があります。

 

うつ病になると、心の健康が失われてしまうために正常な判断がつきにくくなります。

その結果、自分で自分を損なう行動、すなわち自暴自棄に陥ってしまいやすくなります。

 

一方で躁うつ病の場合、不思議なくらい気分が高揚する状態とどうしようもないくらい気分が落ち込む状態が交互にやってきます。

一見するとエネルギッシュにも見えますが、激しい気分の移り変わりを慢性的に繰り返し、社会生活や日常生活に支障をきたしたり人間関係に悪影響を及ぼしてしまいます。

 

「誰も私を理解してくれない」という感情から自暴自棄に陥ってしまうのです。

 

 

心の病気が原因で自暴自棄に陥った場合の対処方法

うつ病や躁うつ病が原因の場合、薬物療法と心理療法の両方を取り入れることで回復に向かうことができます。

 

ただし気をつけなくてはならないのは、うつ病と躁うつ病では治療が異なるという点です。

 

両者は一見同じようにも見える心の病気ですが、厳密には異なる病気です。

そのため治療は自分だけではできません。必ず専門家の診察と治療が必要になります。

 

「自暴自棄になってしまっているが、自分ではどうにもならない」「他人から自暴自棄になっていると指摘されているが自分では自覚できない」など、無自覚ではあるものの自分の感情や行動がコントロールできなくなった場合は一度、医療機関での診察を受けてみましょう。

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