「あれ、もしかして自分は仲間はずれにされている?」

「私がいない方がいいのかもしれない」

ふと集団に馴染めていないと感じたことはありませんか。

 

職場や友達と一緒にいるとき、人はたくさん居るのに疎外感を味わってしまうのはなぜでしょうか。

この記事ではそんな疎外感を感じる心理についてくわしく解説します。

 

原因を知って、気持ちを下向きにさせてしまう疎外感を克服しましょう。

毎日の生きづらさを改善して、楽しい気持ちで過ごすことができますよ。

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疎外感の言葉の意味とは

 

疎外感(そがいかん)とは、頼る人や物がない状態や、仲間がいないために孤独を感じるような感覚的なものを指す言葉です。

「知らない他人の中に取り残される」と感じていたり、仲間はずれや人間同士のつながりを感じられない場面でよく使用される言葉です。

周囲に人がいるにも関わらず「自分はひとりなんだ」と感じる感覚的なものも含むので、自分がどう感じているのかがポイントとなります。

 

疎外感の類語を4つ紹介

 

疎外感とよく似ている類語についてご紹介します。

 

孤独感

単独で誰もいない土地に滞在しているときなどに感じる気持ちを指します。

「周囲に自分と理解し合える存在がいない」と感じる場面で使用される言葉です。

類語ではあるものの、厳密には孤独感と疎外感は異なる言葉になります。

くわしくは次の項でその違いについて解説します。

 

一人きり

「ひとりぼっち」という言葉で表現されることもあります。

文字通り「周囲に自分以外の他人がいない」という状態や、そのような気持ちのもちようを指します。

 

たとえば映画館に一人で出かけて、周囲はカップルか家族連ればかりである場合は映画館の中が満席でも「一人きり」と感じることがあります。

この時感じる「一人きり」は疎外感を感じているのが自分一人だけという意味になります。

 

空虚感

「空しさを感じる」というときに使用される言葉です。

空しさを感じる状態とは、「生きていることに意味がないことを知ってしまった状態」ともいえます。

 

グループの中にいても発言を無視されたり存在を軽んじられる場合、「ここにいる意味ってあるのかな」という空虚感と共に集団に拒否されているような疎外感も感じることになります。

 

劣等感

他人と自分を比べて「自分は劣っている」と感じることを劣等感といいます。

疎外感を覚える原因の1つとして、「自分はこの集団にふさわしい人間じゃないから所属できないのかな」という劣等感が挙げられます。

集団に帰属する自信を揺るがすという点で、疎外感と劣等感は似ています

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疎外感と孤独感との違いはコレ

 

疎外感と似ている言葉に「孤独感」(こどくかん)があります。

疎外感と孤独感は寂しさや「一人きりだ」と感じるときに使用する言葉ですが、厳密には異なる言葉です。

 

孤独感は基本的には単独で感じるものです。

自分が一人きりでいるときに感じるものですが、他人と一緒にいても本人が「自分は一人だ」と感じると孤独感と呼びます。

たとえば言葉や文化が違うために意思疎通が図れない集団の中にいると気に感じる「一人きりだ」という感覚は孤独感と呼べます。

 

一方の疎外感は、集団の中にいるのに自分が一人だけ孤立しているという自覚があるときに感じるものです。

多くの人がいる場で自分の意見が認められなかったときや集団行動で一緒に行動してくれる相手がいなかったときなどに覚える不安な感覚です。

孤独感は自分の気持ちによるところが大きいので、気持ちの持ちようによっては回避することもできます。

 

しかし疎外感は自分の行動や意思とは別に周囲の状況によって左右されるものなのです。

そのため寂しいという孤独感とは違って、「自分だけ周囲に馴染めない」という自己嫌悪や「なぜ仲間はずれにされるのか」という怒りなど様々な感情が伴うこともあります。

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疎外感を感じる6つの心理

 

そもそもなぜ疎外感を感じてしまうのが、その原因となる心理について見ていきましょう。

 

 

周りから浮きたくない

特に日本人の場合、周囲から浮かないように行動することが良いことであるという社会通念があります。

そのため「自分が周囲と馴染めているか」「仲間はずれにされたらどうしよう」という心理がはたらきやすい民族といえます。

 

浮いた存在は恥ずかしい

「ぼっち」という言葉がありますが、これは一人きりで孤立している人や集団から阻害されている人を指す言葉です。

このように一人きりで行動する人を揶揄する言葉があるということは、無意識のうちに人々が「人付き合いで浮いてしまうことは恥ずかしいことだ」と考える傾向があるためです。

 

孤立してしまうのは本人の責任であるとする意識が日本の社会にはあるために「疎外されることは避けなくてはいけない」というおそれにもつながります。

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被害妄想が激しい

現実には仲間はずれにしようと周囲の意思がはたらいていないにもかかわらず、「自分だけ仲間はずれにされているのではないか」という気持ちになってしまうことがあります。

 

これは基本的に他人を信用してしないために引き起こされる心理で、「自分を陥れようとしているに違いない」という気持ちから自分が疎外されているように感じてしまうのです。

 

自己評価が低い

自分が嫌いという人は、他人を受け容れることも難しい状態です。

そのため自己評価が低いと「こんな自分では仲間として受け容れてもらえない」と他人と接することに臆病になってしまい疎外感を味わいやすくなるのです。

 

話の輪に入るためには自発的に「何の話をしているの?」と自分からはたらきかけるひつようがありますが、自己評価が低いと自分から行動を起こすこともできずますます疎外感を強めることになります。

 

過去のトラウマによるもの

過去に仲間はずれにされて辛い経験をしたことがある人は、疎外感に恐怖を覚えます。

そのため「周囲から浮かないようにしないと」「みんなに合わせなきゃ」と自分に強いてしまう傾向が強いです。

 

浮いてしまわないようにすることに必死になりすぎて、相手にものすごく気を使います。

そのため気疲れしてしまったり、相手の都合に合わせるだけの自分が「利用されているだけではないか」という気持ちを生むことになり、さらに疎外感を強めてしまうと悪循環に陥ります。

 

承認欲求や独占欲が強すぎる

「もっと自分を見て欲しい」「私だけと遊ぶ友達であって欲しい」「他の異性とは会わないで欲しい」など、周囲や相手に対する自分の願望が強すぎると、それが叶わなかったときに疎外感を抱きやすいです。

 

求めすぎるのではなく、今手元にあるものを大切にしたり感謝したりすることで気持ちは満たされるのに、そのことに気がつかないといつまでも疎外感を味わったままになります。

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職場の人間関係で感じる疎外感の4つの原因

 

職場の人間関係で疎外感を感じてしまうのにはいくつかの原因が考えられます。

どのような原因があるのか見てきましょう。

 

冷遇されたと感じる

同僚などに話しかけたときに事務的だったりつっけんどんな態度を取られると「冷たくされた」と感じやすくなります。

もしかしたら忙しくて相手をしたり会話をするような状態だったのかもしれませんが、理由が分からない状態だと「自分を冷遇して仲間はずれにするつもりではないか」という疑心暗鬼に陥り疎外感を味わってしまうのです。

 

また飲み会に誘われなかった、休憩中に自分だけ話の輪に入っていけなかったなどのケースでも「仲間はずれにされた」と感じやすくなり疎外感を覚えます。

 

相手が自分に合わせてくれない

自分が他人に同意を求めたい場面で、誰もそれに応じてくれないと疎外感を覚えることになります。

会議や仕事の方法について決定するとき、自分の提案したことに同意を得られないと「自分だけのけ者にされているのではないか」と感じてしまうのです。

 

また配属先に自分の苦手な人や仕事、取引先があると「嫌がらせを受けているのではないか」と過剰反応を示してしまうのです。

仕事をする上では時に自分にとって苦手なことにもチャレンジしなければなりません。

いつまでも「他人が自分に合わせるべき」と考えていると、疎外感を味わい続けることになります。

 

仕事ができない

職場は当然、仕事をするためにある場所です。

仕事ができない人は職場の環境に馴染むことができません。

また仕事ができず周囲に迷惑ばかりをかけていると、自分自身や仕事への被害をおさえようとチームから外されてしまうことにもなります。

 

仲の良い人がいない

仕事仲間ではあるものの、自分の知らないところでプライベートでも付き合いのあるグループが形成されていると「自分だけ疎まれているのかな?」という気持ちになります。

気が合う人間が職場におらず、気がつけばランチはいつも一人という状況にいると特に疎外感を味わうことになります。

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奇数グループは友達間で疎外感を感じる一番の理由

 

3人など奇数のグループになると、自然と偶数組ができて残る一人が浮く、という経験がある人はいませんか。

3人で歩いていたのに、いつの間にか隣を歩いていたはずの2人が先に話し込みながら歩き出して、自分は一人でその後をついて回るように歩くことはありませんか?

 

また仲良し3人組のはずが、いつの間にか二人だけで出かけたり話題も自分の知らないものばかりで、態度に他人行儀さを感じて悲しく感じたことがあるという人もいるかもしれません。

 

「仲良しグループは奇数になるとうまくいかない」ともいいますが、なぜ奇数グループだと「友達と一緒にいるのに疎外感を感じる」という状態になるのでしょうか。

いくつかの理由が考えられますのでご紹介します。

 

会話の時間が少なくなる

奇数か偶数かにかぎらず、複数人の友達と一緒にいる場合は単純に一人あたりの発言の時間が少なくなってしまいます。

人間は会話の中で自分の発言の回数や時間が少なくなればなるほど不満を覚えるといわれています。

 

あまりにも人数が多くても、偶数の人数だと隣の人と話すなどペアを作りやすいので不満は低くなりますが、偶数だとペアを作れないのでいつまでも会話の時間は少なくなり、「私だけ話の輪に名入れていないのではないか」という疎外感を味わうことになります。

 

力関係が平等ではない

さきほどグループの人数が少なくなると会話の時間は少なくなってしまうという話をしましたが、例外があります。

それはそのグループのリーダーというポジションにある場合です。

 

リーダーは必然的に発言の回数が増えます。

またリーダーと話すという行為は集団に帰属する上で優先順位が高く、会話の時間が短くても密度が濃いために十分な満足感を得られます。

 

逆にリーダーのポジションにいる人と話すことができなければ満足度は低くなります。

たとえ3人組であったとしても、リーダー的な立場にある人とその人と最も近い位置にいる人、その次にいる人という序列ができてしまうと「自分だけ仲間はずれだ」と感じることになるのです。

 

存在が軽んじられている

集団の中には時に「いじられキャラ」と呼ばれる人がいます。

そのグループにとって話のタネにしやすい存在で、ある意味ではそのグループの中心的存在だといえます。

 

しかし中には、一緒にいるはずなのに「あれ、昨日の飲み会来ていたっけ?」というように存在が無視されがちな人がいます。

もともと存在感が希薄というよりは、そのグループ内で尊重されていないといえます。

この場合はグループからは距離を取った方がいいでしょう。

 

たとえ奇数グループであっても偶数グループであっても、存在が軽んじられる人はいるものです。

相手と会わないのであれば、グループの外に出て新しい出会いを求めた方が疎外感を味わわずにすみます。

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強い疎外感に襲われる病気とは

 

強い疎外感に襲われるのは環境だけが原因とは限りません。

ときに病気を原因として疎外感に苛まれることもあります。

どのような病気の疑いがあるのか解説します。

 

 

うつ病

うつ病は精神疾患の1つで、気分障害とも呼ばれています。

重い気分や気持ちの著しい落ち込み、自己疎外感などに代表されるような抑うつ症状があらわれます。

 

強い疎外感以外にも次のような症状が続くようであればうつ病の可能性が高いので医療機関の受診がおすすめです。

・不眠

・焦燥感

・孤独感

・無力感

 

これらの症状は放置しても改善することはなく、むしろ悪化していきます。

悪化するとリストカットなどの自傷行為や自殺などにつながるおそれがあります。

 

自律神経失調症

自律神経失調症とはその名の通り、自律神経が乱れることで起こる様々な症状の総称です。

肉体的な変調としては常に疲労感を覚える、不眠、便秘や下痢などの消化器官のトラブル、偏頭痛、微熱などが挙げられます。

 

また精神的な問題として次のような症状が見られます。

・強い疎外感を感じる

・意味もなくイライラする

・常に不安である

・落ち込む

・感情の起伏が激しい

 

自律神経失調症の原因としては生活リズムの乱れや過度なストレス、生来のストレスに弱い体質や性ホルモンバランスの乱れなどがあります。

 

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンとは人間関係に苦手意識を感じたり、うつ病や不眠症などさまざまな生きづらさを感じる症状の原因が「幼少期からの親との関係」に起因する人々の総称です。

 

「自分なんかいないほうがいいのではないか」「誰とも仲良くなることが自分にはできない」といった強い疎外感を覚えるのも、親との関係が原因となって自分の心を苛んでいます。

アダルトチルドレンそのものは病気ではありませんが、マイナス思考の原因となり克服できない人は精神疾患を引き起こしてしまうきっかけにもなります。

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疎外感を打つ消す6つの克服方法

 

疎外感を感じる心理について解説してきましたが、いつまでも疎外感を覚えたままでは毎日苦しいですよね。

疎外感を打ち消す克服方法をご紹介しますので、状況を改善させる助けにして下さい。

 

家族や友人など信頼できる人に連絡する

「自分は孤立しているのではないか」と感じたら、まずは家族でも友人でも良いので話をできる相手に連絡をとり、人間関係から外されていないということを再確認するのが一番です。

本音で話せる相手がいることがきちんと分かっていると、疎外感を味わう場面に遭遇してもあまり気に病まなくてすみます。

 

疎外感を覚えるグループとは距離をとる

趣味の仲間やママ友の集まりなど、グループに所属しているのに疎外感を覚える場合はいったんそのグループから物理的に距離を取ってみましょう。

自分からは歩み寄ろうとしたり挨拶もきちんとするのに仲間はずれにしてくる人とは深く関わり合いにならない方が自分が傷つかずに済みます。

 

悪意をもって疎外感を与えてくる人は、正当な理由ではなく八つ当たりや仲間はずれをすることに楽しさを覚える人物である可能性が高いです。

そんな相手とはわかり合えることはないでしょう。

距離をとるのが一番です。

 

 

打ち込める趣味をもつ

何か没頭できるものをもっていると気が紛れるので、「私だけ仲間はずれにされているのではないか」と悩むこともありません。

うちこめる趣味としては音楽観賞や本を読むことなどはもちろん、日記をつけたり資格を取得したりなど何でもかまいません。

重要なのは「一人で集中して楽しめることがある」ということです。

一人で打ち込める楽しいことがあると、疎外感を覚えなくなります。

 

自分に自信をもつ

自意識過剰だとまた様々な弊害がありますが、自分の能力に見合った自信をもつことは大切です。

自分に自信があると、他人を信用することにもつながるからです。

「どうせ私なんて」と思うことはやめ、自分に出来る事は自分で認めてみましょう。

「やればできるな、自分」と自分で自分を認めることが自信につながります。

 

生活リズムを整える

夜は遅くまで起きていて朝は遅くまで眠って朝日を浴びない状態だと体内時計に乱れが生じて自律神経にダメージを受けます。

自律神経が乱れると体調だけではなく精神的にも悪影響を受けることになります。

早寝早起きの生活リズムを整え、質の高い睡眠をとることで精神的な安定が得られ、疎外感を覚えにくくなります。

 

転職や引っ越しを検討する

新天地で心機一転やり直すのも1つの手段です。

転職を考える人の動機として最も多い理由が「職場の人間関係」となっているように、疎外感を覚えるような職場ではどのみち長続きしません。

自分から歩み寄ってもなかなか疎外感が解消されない場合は転職して人間関係を新たに構築しなおした方がいいでしょう。

 

ママ友などの人間関係も、引っ越しによって関係をリセットすることができます。

無理に自分だけが我慢しないことが肝心です

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