態々という言葉がありますが、ご存知でしょうか。
見たことある方もいるかと思いますが見たことない方も多いかと思います。
見ても読めない方の方が大半ではないでしょうか?。
実は普段結構使っている言葉なんです。ですが、漢字にするとなんだこれは!?という感じだと思います。
そして使い方を誤ると実は相手にかなり悪印象にもなるという結構使い勝手が難しい言葉でもあります。
今回はこの態々という単語と態々の意味や使われ方について見ていきましょう。
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目次
態々は意外とみんな使っている!
「態々」。この漢字、今まで書いたことありますか?
私は全くありませんでした(笑)
なんだか難しいってイメージを感じませんか。
でも実際に読み方を聞いたら、「よく使うね!」となると思います。
普段使っていても漢字にすると全然なじみがないという言葉ってあるものです。
それに本当の意味もまたあって、使う場面や方法をあまりよく知らないで使うといったこともあるのがこの言葉です。
言葉は気持ちを伝えるのに大切なツールです。
言葉ひとつで全く違う意味で伝わったらコミュニケーションは大変ですね。
正しい意味や使い方を学んでマスターしていきましょう!
だいたいではありませんよ!
ではこの「態々」の読み方についてですが、いったいなんて読むかです。
「態」という字は音読みで「たい」と読みます。
ということは「たいだい」ですね!って思われた方、不正解!です(笑)。
今まで「たいだい」と使ったことってありませんよね(笑)。
ということで音読みではなくて、訓読みにするとどうなるでしょうか。
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態々ってなんて読む?読み方と成り立ちを解説
態々という言葉があります。
なんだ?これなんて読むの?実はこれは「わざわざ」と読みます。
読めた方はどれくらいいるでしょうか。
でも普段使っている人も多いかと思います。
漢字にすると急に親近感がなくなりますよね。
成り立ちについては、以下となります。
「ある動作をする事ができる」の意味と「心臓」の象形から、ある事ができるという心構えを意味し、そこから、「姿」、「身振り」を意味する。(引用:漢字/漢和/語源辞典)
「わざわざ」の由来は古語の「わざわざし(態々し)」からだそうです。
よく使う言葉だけど態々とはどういう意味か
「態々」の意味については、以下となります。
何かのついでではなく,労力を惜しまないで特にそのためだけにするさま。故意に。(引用:weblio)
前者の方は労を労うという感謝の気持ちを表します。
ところが後者では「わざとらしい」という感じであまり肯定的な意味ではありません。
否定的なニュアンスを含みます。
使い方として両方の意味があることになります。
たとえば、自分の行動に対して「今日はわざわざ来たんだけど・・・」と言った場合には何かのついでではなくてそのためだけに来たという、他人が聞くと少し嫌味に感じることもあります。
ですから公の場では誤解を生みかねませんのでなるべく使用は避けた方が良いでしょう。
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態々の語源
「態々」は意味が2つあることがわかりました。
特にそのためだけにするさま。故意に行うことです。
わたしたちはこの言葉をわざわざ意味を考えて使うことはそうそうないですよね。
そんな「態々」の語源はどこにあるのでしょうか。
少し調べてみました。
態=意識的に何かをすること
「わざわざ」とは同じ漢字である態が2つ並んだ言葉です。
態自体の意味は「かたち。すがた。ありさま。てい。」です。
「態」単体では名詞であり、そこに助詞の「と」がつくと「わざと」になります。
「わざと」は意識的に何かをすることです。
つまり、「態」には意識的に何かをするという意味があるようです。
態と=わざと
「わざと」を漢字に変換すると「態と」に変換されます。
わたしたちは故意に何かをしたときは「わざとやった」ということがあります。
それは意識して行った行動です。
特別にそこに労力をかけたことになります。
態態が誕生した
「態」には意識的に何かをすること、という意味が含まれて、「わざわざ」という言葉が「態々」と書くのは納得できます。
因みに「わざわざ」という言葉は古語にも由来していて「態々し」という表現も出てきます。
「態」には意識的に何かをするという意味があり、それが2回繰り返されて「わざとらしい」という意味になったようです。
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読み方が同じ業々との違いはコレ
「業々」とう言葉があります。
読み方も「わざわざ」と同じです。
意味は「そのためだけのために行うことをあえてやる」です。
使い方として、「本日は、わざわざお越しくださいましてありがとうございます。」という形で感謝や労いの意で用います。
先ほどの「態々」ではマイナスのイメージがありしたが、「業々」ではそのような意味は全くありません。
しなくてもいいことをしてくれた、という意味にはなりません。
むしろ、そのために時間とお金や労力を使ってくれてありがとうという労いの気持ちが表現されます。
手紙や文章でお詫びや感謝、労をねぎらう際は「態々」ではなく、「業々」と書きましょう。
態々を敬語として目上の人に使ってはいけない理由
態々は少し使う場面を気を付けなければいけません。
意味のひとつとして「労力を惜しまずに特別に行うこと、そのためだけにするさま」とあります。
労力をかけてしてくれたことに対して感謝を表す時に使います。
「わざわざありがとうございました。」という感じです。
しかし労をねぎらうというのは上から目線の言葉になります。
労を労うのを目上の人に行うことはしないという認識があります。
もしあなたが目下の人から言われたとすると違和感を感じるでしょう。
「ご苦労様です」も同じです。
目上の人に言う言葉ではありません。
使うなら「お疲れ様です。」となります。
2つ目の意味として、「わざと、故意に」があります。
故意というのは「わざとすること。またその気持ち。」です。
さらに「自分の行為から一定の結果が生じることを許容しながら行為に出る心情」です。
「彼はわざわざお茶を持ってきて書類の上でこぼした。」というように故意に行う行為です。
万引きなどの犯罪も結果をわかっていながら行うので「わざわざ罪を犯す」という言い方をします。
わざわざは業々ではいい意味と捉えられますが、態々の方はいい印象はありません。
業々は感謝や労をねぎらう気持ち、そして謝罪のときに使う表現です。
相手に対して敬意を示せます。
ところが態々はマイナスイメージが持たれてしまい目上の人に使うのは失礼になります。
「わざと、故意に」という意味がありますから、余計なことと捉えられてしまうと逆にマイナスの印象になります。
言葉とは難しいものです。
わざわざは捉え方が異なると全く違った意味になるリスクがあります。
いい意味でこちらが使っても捉えるのは相手次第ですのでそのリスクを抱えるのはデメリットになります。
目上の人へは使用しない方が無難でしょう。
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目上の人にはご足労おかけしましてに変換が正解
「わざわざお越しくださいましてありがとうございます。」、これでは、悪いように捉えられてしまう可能性があります。
では目上の人へはどのように敬語を使うべきでしょうか。
そこは「わざわざ」という言葉を使用しないことです。
そこはちょっとした言葉の変換を用います。
「ご足労おかけしまして」とします。
そうすることで相手の敬意がしっかりと伝わるようになります。
言葉ひとつで受け取る印象が真逆になってしまっては損ですよね。
「わざわざありがとうございます!」これも要注意です。
頻度的にはこちらがよく使われるのではないかと思います。
「ありがとう!」だけであれば祖語は生じませんが、前に「わざわざ」をつけることで2つの意味で捉えられてしまうことがあります。
例えば、職場や学校で友人や同僚が車で目的地に送ってくれたとします。
そんなときに、「忙しいのに、わざわざ送ってくれてありがとう!」と言ったとします。
この場合に2つの意味に受け取られる可能性があります。
忙しい中、自分のために時間とエネルギー(ガソリン、運転)を使って自分を送り届けてくれた。
その行為に対して、ありがとう!という相手がしてくれた行為への労いや感謝の気持ちです。
この場合は「業々」の方が合っています。
しかしマイナスイメージなら「そんなことまでしなくてよかったのに。」という気持ちです。
この場合は「態々」の方が合っています。
このあたりも使う際にはよく認識しておきましょう。
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態々ご連絡頂きはこう変換してスマートに
とにかく相手に悪印象を避けたい!って思いますよね。
「わざわざ」という言葉を使わないでどうやって相手に伝えたらいいでしょうか。
「態々ご連絡頂き」はこうやって変換してみてはどうでしょうか。
「ご丁寧に連絡頂き感謝申し上げます。」、「お心配り頂き、お礼申し上げます。」、「ご連絡頂きありがとうございます。」などなど。
これならスマートに伝えられますよね。
慇懃無礼とはどういう意味?
慇懃無礼という言葉があります。
「慇懃」とは、”丁寧なこと”や”礼儀正しいこと”という意味、一方の「無礼」は、”礼儀正しくないこと”や”無礼なこと”という意味であり、全く逆の意味を持つ言葉の組み合わせとなります。
すなわち、言葉や態度はすごく丁寧であるが、それがかえって無礼になること、誠意はうわべだけの表現で内心相手を見下していることを意味します。
過度な表現といったところですね。
たとえばコールセンターの苦情対応でマニュアル対応で「貴重なご意見ありがとうございます。」と返された際はなんか嫌な感じがしたことはないでしょうか。
このような場合は相手の態度が慇懃無礼となります。
嫌味に聞こたり、小馬鹿にしたように思われるなど、行き過ぎたということですね。
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