感情の起伏が自分でも思わぬ激しさで変わることはありませんか。
人間ですから常にニコニコしていられないですし、イライラが消えないことだってあります。
しかしジェットコースターのように劇的に感情が変化してしまうのはもしかして情緒不安定になってしまっているからかもしれません。
情緒不安定になると自分でも疲れますが周囲の人間にも悪い影響を与えてしまいます。
必要なのは自分自身が情緒不安定に陥っていないか、陥っているとすればどんな原因があるのかきちんと感情と向き合うことです。
もしかしたら人格障害の可能性もあるかもしれません。
取り返しがつかなくなる前に、情緒不安定について正しい知識と診断方法を知っておきましょう。
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目次
情緒不安定な状態とは?
情緒不安定な状態とはどんな様子か。簡単に解説しています。
感情の起伏が大きくコントロールできていない状態
冷静なときは感情の起伏がありません。
何か起こっても落ち着いて対応することができるため、目の前の出来事に対して衝動的な振る舞いもしないでしょう。
例えば口論になって気持ちが高ぶったとしても、「これは言わないほうが良い」と客観的に判断することも可能です。
でも、心のコントロールができない場合は、感情の勢いに従って批判的な言葉を浴びせたりすることもあるかもしれません。
不安からイライラしてしまう
この先どうやって暮らしていけば良いのかわからない。
彼は本当に愛してくれているのだろうか…。
そんな不安が積もっていくと、ある日それがイライラした気持ちに変わってきます。
なんでこんなに言葉で伝えているのにわかってもらえないんだ。
そう思うと、改善されない現実へ不満をぶつけたくなるのです。
ただ、心の奥からそんなことを望んでいるわけではありません。
本当は優しい気持ちの持ち主であっても、どうしようもない不安に襲われると、何かを壊してしまいたいくらいの不安定な状態になってしまいます。
また、神経が高ぶることで不眠になり、眠れないストレスがさらに感情を刺激してしまうのです。
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情緒不安定の原因は脳にあった
情緒不安定な原因が脳にあるとはどういうことか。
その理由についてまとめてみました。
前帯状回による過剰な働きから脳機能障害になる
前帯状回が活発に動いてしまうと必要な情報が送られなくなることで、不安な気持ちが強くなります。
もちろん個人差はありますが、思考が止まったような形になってしまい、マイナスイメージが膨らんでしまうのでしょう。
そのため現実にはまだ起きていないことへの不安が大きくなり、何度も確認していることなのに心配になったりするのです。
神経伝達物質のバランスが崩れ脳機能障害になる
セロトニンが不足すると、神経伝達物質のバランスが崩れます。
セロトニンは抗うつ薬に含まれている場合もありますが、トリプトファンと呼ばれる栄養素を取ることで作られます。
そのため味噌汁や納豆を食事に取り入れると良いわけですが、このトリプトファンが不足することで、セロトニンも生成することができなくなって神経伝達がうまくいかなくなるのです。
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情緒不安定になりやすいのはこんなタイプ
情緒不安定になるにもタイプがあります。
そこにはどんな傾向があるか説明しましょう。
神経質で几帳面な20代女性
神経質で几帳面だと、わずかな汚れが許せなくなります。
自分が汚したものならまだ我慢できるとしても、他人が汚したとしたら許せる許せないのレベルではありません。
そういうことがあり得ない前提なので、心に良い影響を与えるわけがありません。
潔癖症に近い状態ですが、自分ではそこまでの自覚を持っていないでしょう。
でも、神経質であればあるほど正確さにこだわったりするため、それを守れない周囲に対してストレスを感じてしまいます。
そういう人は約束した時間に遅れません。
余裕を持って家を出ます。
ただ、すべての人が同じではないため、連絡もなしに適当な理由で遅刻した人がいれば、待っている間もイライラして神経が過敏に反応してしまいます。
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遺伝的に受け継いでいる
実は情緒不安定は遺伝します。
でも、すべての人に当てはまるわけではありません。
環境的なことも原因の1つかもしれませんが、多くはホルモンバランスや自律神経にも関係しているため、その体質を受け継いでいる場合はなりやすい傾向があります。
思い出してみてください。あなたのお父さんやお母さん。
もしくは祖父母は、どんな人でしたか?
いつも陽気で落ち込んでいるところを見たことがない。そうです。
ほとんどの大人は子供の前でめったな姿を見せないので、「そんなことはない」と答える人のほうが多いでしょう。
ただ、性格的に似ている部分を考えてみると、やはり遺伝的な要素が大きいわけです。
そうなると、情緒不安定になる体質も遺伝している可能性が高いです。
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その情緒不安定は人格障害かも
では、人格障害についてお話します。
対人関係や思考に不安がある
「パーソナリティ障害」とも呼ばれる人格障害は、生活や他人との関わり方に独特の特徴があります。
人と同じようにできない。
そんな自分はダメなのではないか…。
そう思うと不安でたまらない。
先生は大丈夫だと言ってくれたけど、それを信用しても良いのか。
いろいろな不安が次から次へと湧いてきて、その不安に終わりはありません。
最近では人格障害から全般性不安障害を訴える人も多く、他人との距離がとれないことに心配も増えます。
女性によく見られる衝動的な感情
みんなに合わせなくてはならない。
でも、合わせられない。
不安を持っているのは、全般性不安障害も同じです。
ただ、全般性不安障害は身の回りで起こるすべてのことに対してで、その対象は限定されていません。
人格障害は主に対人関係にトラブルを起こしやすく、言動から誤解が生まれやすいことでも知られています。
周りの人と自分の行動が違うことで、それを受け止めきれなくなるのでしょう。
特に女性は共感を重要視するため、好みではなくても「これ、可愛いよね」と声をかけたりしますが、そう行動できない人格障害の人はそれに苦しみ、心に重くのしかかってきます。
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情緒不安定を伴う全般性不安障害は何度も繰り返す
全般性不安障害を繰り返してしまう理由を解説しています。
呪縛的な不安から逃れられない
1つの問題が解決したその先に、新しい不安が生まれてしまいます。
次はどうすれば良いのだろう。
やっぱりクレームをつけられるのでは…。
そう思って自分で不安を広げてしまうのです。
呪縛的な状態になってしまうため、モヤモヤしている気持ちから追いかけられてしまいます。
どれだけ慣れた状態でも、どれくらい回数を重ねていたとしても不安を繰り返す状態が止まらないのでしょう。
単純にそれを全般性不安障害と断言することは難しいこともあって、日本ではあまり一般的に知られていません。
不安や心配をコントロールできない
自分の中に芽生えた不安や心配をコントロールできないため、日常生活に支障をきたすほど精神状態が揺らいでしまいます。
どうすればこの悩みから解放されるのか。
どうやってここから抜ければ良いのか。
そう考えれば考えるほど不安が募り、結局また同じ場所に戻ってくるのです。
そのため一時的に緩和することもありますが、繰り返される不安から他の精神的な疾患を引き寄せたりするでしょう。
ずっと緊張感があって張り詰めた状態も続いてしまうため、リラックスできない状況が余計な負担を心に与えてしまうのです。
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情緒不安定の主な症状は精神状態
情緒不安定の精神状態を説明します。
慢性的な焦燥感を持っている
もっと早くしなければいけないのでは…。
このままではダメだ。慢性的な焦りから、いつも落ち着きがありません。
気持ちだけが先走っていて、現実的な行動には移せていないケースも見られます。
「とにかくやららなければ」という不安が大きいため、自分の思考に集中してしまい周りが見えてこないのです。
そのため何をやるべきか。
どうすれば良いか。
じっくりその問題と向き合って考えたりできません。
目先の心配に気持ちが向けられてしまうので、いつも得体の知れない暗闇に跡をつけられているような気分にもなります。
記憶力低下が引き起こす過敏な反応
気持ちの落ち着きがなければ、記憶力は低下します。
情緒不安定だとしっかりと覚えられないため、忘れてしまったことに対して過敏に反応してしまうのでしょう。
覚えていたつもりなのに。
何が必要だったのか思い出せない。
思い出せないことでさらなる不安が強くなります。
懸命に思い出そうとして緊張した精神状態となり、小さなことでもネガティブに受け取ってしまうのです。
例えば「○○を持ってきて」と頼まれたとします。
でも、これを忘れてしまったことで「どうしよう」という緊迫した心情になり、相手が「別に良いよ」と言ったとしても、「冷たくあしらわれた」と解釈してしまいます。
そういうつもりで言ったわけではなくても、気持ちに余裕がないので正しく受け取れなかったりするのです。
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情緒不安定=全般性不安障害の診断チェック
全般性不安障害のチェックをしてみてください。
長期化している睡眠障害や疲労がある
長期化の期間はそれぞれですが、睡眠障害で疲労がとれていない状態が続いていれば、全般性不安障害の可能性は高いです。
多かれ少なかれ人は不安を持つものですが、それが繰り返されることはありません。
問題や課題が片付けば1つの区切りがつくので、不安な気持ちはリセットされます。
そのため眠れない日々があっても、解決することで眠れるようになったりするのです。
でも、全般性不安障害は不安な気持ちが途切れないので、睡眠障害も改善されにくく疲労が解消されないのかもしれません。
緊張や不安をコントロールできていない
全般性不安障害は、自分で緊張や不安をコントロールできません。
つまりアンコントロールの状態。
不安を解消するために練習に励んだり、緊張をほぐすため自分で何らかの対応をとっていたとしても、心の奥底にある不安な気持ちを消すことはできないのです。
どんなに努力しても薄まらない。
むしろやればやるだけ新たな不安が生まれる。
そんな状態に陥っても、精神疾患として認識できていなければ全般性不安障害に1歩手前でしょう。
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自分で出来る情緒不安定の治し方
情緒不安定に効果のある方法をご紹介しています。
ストレッチやウォーキングをする
ストレッチやウォーキングなどの運動をすることは、固まっていた筋肉を動かすと同時に心も動かすことになります。
何気なく目に入る光景。
それは空高く飛ぶ鳥だったり、流れていく雲だったりするでしょう。
自然からもたらされるエネルギーと体を動かすことで疲労が重なり、よく眠れるようになるのです。
趣味に没頭する
趣味に没頭すると、不安定な気持ちが安定することもあります。
もちろん競馬などの賭け事だと余計にストレスが増える場合もありますが、読書や音楽鑑賞・映画鑑賞など自分の好きな時間を過ごすことで、心も晴れやかになってきます。
没頭しているうちは何も考えなくて済むので、嫌なことも思い出しません。
楽しい時間だけに費やせるので、複雑に絡み合った思考もクリアになるでしょう。
嫌なことを書き出す
嫌だった出来事を書き出すと心の整理がつきます。
自分は何に対して不安を持っていたのか。
どこが受け入れられないポイントだったのか。
書き出しているうちに、心の中にある感情を客観的に捉えることができるようになるでしょう。
そうすれば次に何をするべきか。
どこに気をつけていれば良いのか。
自覚ができるようになる他、誰にも言えなかった強いストレスを解き放つことも可能です。
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食生活や睡眠を見直し、アロマを取り入れる
朝食を食べる。
お酒を飲みすぎない。
カップラーメンなどはなるべく控える。
そういう食生活や睡眠を見直すことで、症状が緩和してきます。
寝る前は真っ暗にするのではなく、小さな薄明かりをつけておく。
ホットミルクを飲む。
ゆるやかな音楽を聴く。
睡眠に入りやすいように、緊張した精神状態をリラックスできる状態に変えてください。
アロマを取り入れると、高ぶった神経を鎮めるのに有効です。
不安な気持ちが薄れ、自然と良質な睡眠へ向かうことができるでしょう。
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