社会問題の1つとして認識されつつある「引きこもり」ですが、若い人ばかりではなく高齢の人にも見られる問題です。
長引くと人間関係だけではなく経済的な問題も引き起こし、最悪の場合は孤独死を招くこともあります。
しかしなぜ引きこもりになってしまうのでしょうか。
どんな原因があるのか知っておくと、予防や改善に役立ちます。
この記事では引きこもりの原因や対処方法についても解説します。
特に大人の引きこもりには病気の可能性も潜んでいます。悪化する前にどんな原因があるのか知っておきましょう。
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目次
引きこもりになる原因第一位は周囲との摩擦
引きこもりになる原因の第一位は「周囲との摩擦」です。
「周囲との摩擦」を詳しく見ていくと、いくつかの事が挙げられます。
過度ないじめ、いじり
いじりに関してはうまく聞き流したり、逆に笑いに変えたりする子もいますが、いじられるのが元々嫌いな子やいじり自体に悪意のあるものもあります。
そうなってしまうともはやその子にとってはいじりではなく、いじめに変わってしまい、トラウマを抱えてしまったり、人と接する事に恐怖心が強くなってしまったり、人と話すこと自体が苦痛になってしまったりします。
これが酷くなると、人に会いたくない。
話したくないとなり、結果的に引きこもりへと繋がっていくのです。
元々人と接するのが苦手
小さい頃から周囲になじむのが苦手な子、特定の仲良くなった子としか話せない子などがいます。
これが大人になっても続いてしまい、人とのコミュニケーションが円滑に出来ずに孤立してしまい、引きこもりに繋がるケースがあります。
このように引きこもりの原因の一番の要因は自分の周りに関係があります。
「きっかけ」があった事による引きこもり(いじめ、いじりなど)、元々の性格的なものによっての引きこもりという二つのパターンが存在するのです。
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なんとなく周囲になじめない疎外感から引きこもる事もある
引きこもりの人の中には「なんとなく周囲になじめない疎外感」から引きこもる事もあります。
それは元々の本人の「性格」によるものもあります。
例えば元から内気で引っ込み思案な人の場合、周囲に自分から入っていき、会話をしたりコミュニケーションを取ったりするのが苦手な人も多いです。
慣れた友達とは一緒に話したり、行動したりという方も中にはいますが、それもその友達に「頼った」状態になってしまうので、他の友達が来たりした場合には柔軟に対応できなかったりする事もしばしばです。
その結果、どうしても周りから孤立してしまったりするケースも多いです。
これが引きこもりに繋がっていったりもします。
親の育て方が引きこもりの原因
引きこもりの原因が「周囲との摩擦」である事をお話していきましたが、その他にも考えられる原因はいくつか存在します。
二つ目の引きこもりの原因として挙げられるのが「親の育て方」です。
元々親が過保護で、自分のすることする事に口を出されてしまったり、過度の期待を親から受けていたりする場合には引きこもりに繋がってしまうケースもあります。
親が過保護な状況にあると、自分の意見が言えず、自分自身で行動できなかったり、何かにつまづいても自分で解決できずに親を求めてしまい、いつまでも親離れが出来なくなってしまいます。
その他に過度な期待を受けてしまうと、そればプレッシャーになってしまい、挫折を味わった際に酷く打ち込んだり、劣等感に酷く苛まれてしまいます。
その結果、「親の言う事を聞いて、良い子でいれば大丈夫」と思ってしまい、それが結果的に失敗をした際に自分で立ち上がる力が身についていかなかったりしてしまい、「自分はダメなんだ」と殻に閉じこもってしまった結果、引きこもりになってしまうのです。
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親に束縛された生活から逃れたいことも引きこもりになる
親に束縛された生活から現実に目を背けたくなり、引きこもりになるケースもあります。
例えば過干渉な親に「あれは違う、こうしなさい。そうじゃないでしょ。」など全てを決めつけられ、それをきちんと聞いて、いいつけを守っていたりすると、自分の意志で自由に発言したりする事が出来なくなってしまいます。
初めの小さいうちは日常生活において親が見本となり、言う事を聞いて生活する、躾を受けるというのはごく当たり前の事です。
しかしながら、成長と共に全てを受け入れる事に疑問を持ったり、反抗期に親に反抗する事も当たり前なのです。
ここで押さえつけて言う事を聞かせると、なんでも言う事を「お利口に聞く」人に成長していくかもしれませんが、
これがかえってお利口になり過ぎてしまい、自分の意見が述べられない、お利口にしていなければならないと委縮してしまい、結果的に親の束縛から逃れたい事から、引きこもりになってしまいます。
また逆に感情が爆発してしまい、引きこもりとは逆に不良の道に進んでしまう子もいて、その人によって受け取り方は様々です。
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引きこもりはゲームの世界に入り込んだことが原因かも
好きな事に没頭する事は悪い事ではありません。
しかしながら没頭しすぎるのにも問題が起こってしまう可能性があります。
引きこもりの原因の一つともいわれるのが「ゲーム」です。ゲームは私達の身近に存在しています。
ではなぜゲームが引きこもりの原因となってしまうのでしょうか。
まず一つは没頭しすぎるあまり、現実と架空の世界の区別が分からなくなってしまう事があります。
そして四六時中ゲームに夢中になってしまう事で、朝起きられずに夜型の生活になってしまったりと廃人に陥ってしまう事もあるのです。
朝起きられずにそのまま家に閉じこもりっきりになり、外に出なくなるというケースも少なくはありません。
またゲームによって得られる「満足感」にも問題があります。
ゲームの世界は短時間で物事を「クリア」して進んでいく事が可能な世界です。
短時間で物事を進めていく事は現実世界では考えられません。
何か目標に向かって行動し、努力し結果を得る事で満足感を得るというプロセスが現実世界で一般的に起こる事なのですが、ゲームの中ではあっという間に目標を達成してしまうので、次々に満足感を得てしまいます。
それによってすぐに満足感を得られなかったり、物事が解決できない事にすぐに腹を立てたりして、キレたりすぐにあきらめてしまう子も少なくはありません。
結果、現実世界に満足できず、引きこもりになるケースもあります。
このように一概にゲームが悪い物とは言えませんが、引きこもりの原因になる可能性がある事も念頭に置いておいた方が良いでしょう。
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集団生活が苦手だと引きこもりになりやすい
引きこもりになりやすい人の特徴として挙げられるものに「集団生活が苦手」な事も挙げられます。
人は社会の中で生活しています。学校生活から会社の中。
集団生活というのは子供から大人になるまで存在するものです。
その中でも協調性がある人は難なく集団生活を過ごすことが出来るのですが、中には元々集団が苦手だけど、頑張って集団の中で過ごしている人もいるのです。
頑張りすぎるあまり自分の感情が爆発してしまい、引きこもりになってしまう・・というケースもあります。
また集団が苦手で自分から抜けていったり、協調性のない人、少し個性的で集団からわざと距離を置く人なども存在が浮いてしまい、クラスやコミュニティに溶け込むことが出来ずに孤立してしまい、結果的に引きこもりになってしまう事もあります。
日本人は特に団体行動が好きな方と言われています。
特に個性的な人、目立つ人というのは「出る杭は打たれる」ではないですが、集団の中では孤立してしまうケースが多いです。
それを何とも思わず、確固たる自分を持っている方なら良いですが、中にはそれをかなり気にしてしまう方もいます。
無理をする事はありませんが、ある程度は集団とも関わりを持つ事は必要かもしれません。
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引きこもりになりやすい性格の特徴
ここで引きこもりになりやすい人の性格の特徴について見ていきましょう。
内気である。
内気でシャイな人は人に話しかけるのが苦手な人が多く、自分から集団に溶け込むのも苦手です。
その結果人との関わりを嫌ってしまい、引きこもりになってしまうケースがあります。
神経質である。
引きこもりの人ほど、人との関わりに神経質な人が多いです。
特に他人からの評価を気にしたりするあまり、自分で思うような行動が出来ずにふさぎ込んでしまい、結果的に引きこもりになる事があります。
精神的にもるく、不安的である。
集団の中にいるのが苦手な人は逆に心の中では「人に嫌われたくない」「自分も人の輪に入りたい」という気持ちが無いわけではな、人から嫌われたり、一人になる事を恐れたりしている事もなくはありません。
その為、人から何か言われると傷つきやすく、不安的な一面もあります。
引きこもりになりやすい人の性格を挙げていきましたが、こちらはなりやすい性格の一部であり、その人によってもまた異なってきます。
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大人の引きこもりの背景にある病気の可能性
引きこもりは子供だけでなく大人にもあります。
しかしながら、大人の引きこもりの要因には「病気」が隠されている可能性があります。
発達障害
発達障害によって職場の人とのコミュニケーションがうまく取れずに仕事を円滑に進める事が出来ず、仕事が出来なくなり引きこもりになるというケースがあります。
統合失調症
統合失調症は精神疾患の一つであり、主な症状として幻覚や妄想、幻聴などが見られます。
これによって他人との交流が難しく、生活にも支障をきたす為、外に出る事が出来ずに引きこもりになってしまう事があります。
またうつ状態になり、落ち込みが酷く無気力になってしまう事も引きこもり要因の一つと言われます。
その他の病気
その他にも双極性障害、パーソナリティ障害、ADHD、長年の引きこもり生活から精神疾患(強迫性障害、対人恐怖など)が出る事も引きこもりの一つとなる可能性があります。
病気や精神障害のせいだと分からずに引きこもり生活を続けてしまう人も少なくはありません。
病気による引きこもりの場合には治療をすると軽快してくるケースもあります。
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病気による引きこもりはしっかり治療して完治しよう
病気によるものであれば、病気を治療すれば引きこもり状態が少しづつでも良くなる可能性があります。
精神疾患であれば、薬物療法(抗精神病薬、抗うつ薬などを使う)治療や心理療法を用いて治療する事が可能です。
病気が酷い場合には入院治療をする事もあります。
治療を行いたい方はまずは心療内科、精神科の専門医に相談し、治療を行う方針を決めて治療するようにしましょう。
どこに相談して良いか分からない場合には地方自治体の相談窓口がある所もあります。
お近くの市役所などに問い合わせしてみるのも良いでしょう。
引きこもりが長引くと、当事者が精神的にも肉体的にも辛いのはもちろんの事、一緒に生活している家族もサポートする中で大きな負担があります。
気になる事があれば早めに専門医や相談機関へ相談するようにしましょう。
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