あなたは、「器量がいい」という言葉を聞いてどういった人を思い浮かべますか?
テキパキと与えられた仕事ができる上司でしょうか。
すれ違ったら思わず振り返ってしまうような美人でしょうか。
今回は、器量よしの意味を「類語」、「度量との違い」、「気立てとの違い」などから器量のいい人の特徴を見てみましょう。
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目次
器量とはどういう意味?
人によって違う?『器量のいい』の意味
冒頭で上司か美人かと二文を例に出しましたが、あなたはどちらか一方の例えに疑問を抱いたでしょうか。
「能力のある人のことでしょう?」
「見た目が良い人のことでしょう?」
と、思うかもしれません。
しかし、「器量」には複数の意味があるのです。
辞書的な意味で考える『器量のいい』人
辞書では「器量」について次のように書かれています。
”① 物の役に立つ才能・力量。”
”② 主に女性について、容貌。顔立ち。みめ。”
”③ 主に男性について、その人の面目。価値。 ”
– 大辞林 第三版 (三省堂)
なんと、三つも意味があり、性別によってその意味も変わっています。
さらにデジタル大辞泉 (小学館)では四つ目の意味として「名人」ともありました。
いずれにせよ、「器量」の意味から考えると、「器量のいい人」は相応しい能力があり、世間的にも高く評価される人を指しています。
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器量の類語はコレ
恵まれた能力
「器量」の類語には、「才能」「有能」「才力」などの言葉があります。
これらは恵まれた能力を持っているということです。
何に対する能力なのかというと、その社会や文化の中で変わってくると考えられます。
「他人の面倒を見られる甲斐性」かもしれませんし、「作業をそつなくこなせる技量」かもしれません。
しかし、共通しているのは、求められること、やらなければならないことに対して確かな力があるということなのです。
物事を遂行するための性質
また、「器量」の類語には、「キャパシティ」「アビリティ」といった言葉もあります。
これらは、英語の「Capacity」「Ability」という言葉ですが、それぞれ「処理能力」や「手腕」といった意味です。
物事を成し遂げるために必要な性質を表しています。
つまり、「器量」にはその人の中に存在する技術、スキルを表現した言葉であり、「器量のいい人」とは、能力の高い人ということになるのです。
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器量があると度量があるの違い
「器量」と「度量」は一見して似ている言葉ですが、同じ意味なのでしょうか。
この言葉の違いを比較してみましょう。
広い?大きい?
そもそも「器量」と「度量」は全く異なります。
「器」は容器のことですから、特徴を示す時は「大きい」または「小さい」と形容します。
一方、「度」とは目盛のことです。
物差しや枡を思い浮かべると分かりやすく、ここから転じて長さや容積を指す言葉です。
度量は他人の言葉を受け入れられる容積(=心の広さ)を指しますので、「広い」「狭い」と形容します。
前者は能力や容姿、後者は心の内面を表現した言葉なのです。
比例しない二つのスキル
「器量の大きさ」と「度量の広いさ」は比例して持ちうるスキルなのでしょうか。
身近にこんな人はいませんか?
「仕事はバリバリできるけど、部下の失態に厳しく、話を聞こうとしない人」
「話は聞いてくれるし、めったに怒らないけれど、仕事は遅くてミスしがちな人」
リーダーに抜擢するならどちらの人間がいいかと聞かれると、すぐには即答できないですよね。
どちらも兼ね備えていてほしいけれど、どちらしかない人は多くいるはずです。
ここからも、「器量」と「度量」は、独立した性質であり、比例しないと言えるでしょう。
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器量がいいと気立てがいいの違い
「気立てがいい」という言葉を聞いたことはありますか?
この言葉、文学作品では芥川龍之介や泉鏡花といった名立たる文豪の作品にも使われているのです。
今度はこの「気立てがいい」と「器量がいい」を比較してみます。
見た目と中身
そもそも、「気立て」は他者に対する心の在り方、性質や気質などを表しています。
つまり「気立てがいい」は、ひねくれておらず、おおらかで心配りのできる性格を指すのです。
そして前述の通り、「器量がいい」はスキルや容姿を指す言葉です。
ここからも、両者の違いがわかりますね。
「器量がいい女性」と「気立てがいい女性」
先に述べた文学作品を例に出すと、「気立てがいい」と形容されるのは女性です。
現在は必ずしもそうであるとは言えませんが、従来、優しい心根は女性に求められるものでした。
では、「器量」の場合はどうでしょうか。
器量は辞書の解説からすると、女性を指す場合「容姿、顔立ち」という意味になります。
つまり、「器量のいい女性」は美人な女性であり、「気立てがいい女性」は優しさを持った女性だと言えるでしょう。
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器量がいい人の3つの特徴
それでは、「器量がいい」の意味がある程度分かったところで、器量がいい人の特徴を見てみましょう。
非常に客観的
器量のいい人は物事を冷静に判断できるため、他人から見ても仕事のできる人が多いのです。
テキパキと作業を進められるということは、今は何をしないといけないのか、次に何をするべきなのかが見えているのでしょう。
周囲の人もつい器量よしな人を頼ってしまいますよね。
自己コントロールが上手い
器量よしな人は『自分自身』も冷静に見つめることができます。
感情の制御が上手く、実年齢より大人びて見られる人も多いのではないでしょうか。
すぐ感情的になってしまうと、どんなに仕事ができても幼稚に思われてしまい、示しがつかなくなってしまいます。
しかし、器量のいい人は自己コントロールもできてしまうのです。
前向きで果敢な精神
自己コントロールが上手い人はポジティブ思考を保つのが得意です。
ミスをしたらへこんでしまうこともありますが、その失敗を次に活かそうと切り替えるのも早いのです。
それはやはり、自分自身を省みることができる才能であり、仕事を手早くこなすことができる要因の一つであると言えます。
また、恐れず物事に立ち向かっていくことで、更にスキルを高めていけるのです。
失敗してもすぐに前向きになれる、そんな器量よしな人ならではの特徴でしょう。
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器量が良くても心が狭いとリーダーにはなれない
ここまでで「器量のいい人になりたい」と思った方もいるかもしれませんが、どんな性格であっても度が過ぎると欠点になってしまうこともあるのです。
今度は、器量のいい人の中でも、リーダーとして周りの人を動かす存在になりたいと考える時に、注意すべき点を紹介します。
自己中心的
仕事ができる人だと褒められたらつい浮かれてしまいますよね。
勿論、日頃の成果を褒められたのですから喜んでいいことなのですが、慢心すると自分の言動こそが正義だと思いがちです。
自分の意見を正論で批判されて逆ギレしたり、他人がリーダーになった時は嫉妬して無視したり…。
それではいつか、周囲の人に見限られてしまいます。
常に自分の考えが正しいのかを疑い、他人の意見を否定せず取り込んでいく。
これができれば、また一段とスキルアップできることでしょう。
他人を褒めない
「他人を褒めても自分にメリットはない。」
なんて、損得勘定で褒めることをやめていませんか?
周囲からの評価は気にするけれど、他人へ高評価を出せないのは、リーダー失格です。
自分を取り巻く人たちのスキルを冷静に見極め、その行動を適切に評価できれば、周囲の能力も自然と向上します。
『情けは他人のためならず』と昔から聞く言葉ですが、正にその通りで、自分のためになるのです。
周囲の人の能力が上がれば、あなたはもっとレベルの高いものにも挑戦できます。
しかし、周囲の人の能力を気にせず、存分に発揮させることができなければ、失敗が増え、結局あなたの仕事量が増えるのです。
他人を褒めるということは、自分のためにもなるのです。
プライドが高すぎる
誇りはある程度持っている方が仕事へのモチベーションにもなりますが、高すぎるプライドは視野を狭くしがちです。
自分が間違っているはずがないと信じ、いざ指摘されれば責任転嫁してしまう…となったら、リーダーとして率いることは難しいでしょう。
高みを目指すあまり、周囲を置いてきぼりにしたら、それはリーダーではありません。
ただ一人で好き勝手やっているだけの人になってしまいます。
リーダーは「率いる者」という意味です。
自分が歩く道を付いてきたいと思ってもらえるような魅力的なリーダーになるためには、周囲に目を向けることは重要なのです。
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器量よしと言われる人になる5つのポイント
最後に、器量よしな人の長所と短所を含めて、どうすれば器量よしと言われる人になれるのか、考えてみましょう。
好かれる『器量よし』の特徴
✔他人に迷惑をかけないストレスの発散方法がある
✔時間にも心にも余裕を持って物事に取り組める
✔新しいことにもチャレンジ!スキルアップのチャンスは逃さない
✔話し上手である以上に聞き上手である
✔蓄えた知識を持ちつつ、柔軟に行動できる
上記5つは、器量も度量もよい人の特徴です。
大切なのは、自己コントロールと周囲との協調性なのです。
たまには周囲にも目を向けて
前述の通り、真に器量よしな人になるためには自分の事ばかり考えていてはいけません。
そもそも、周囲に目を向ける余裕のある人は、既に自分のやるべきことは余裕でできる人なのです。
やるべきことを放って他人に口出ししていては本末転倒ですが、他人を見る余裕はとても大事です。
そして、他人を見ていると自分の行動を省みる材料にもなります。
まだまだ目指す上はあるということですね。
いかがでしたか?
器量のいい人、良いリーダーになるためには、広い視野を持った方がいいようですね。
自分本位な考え方ではなく、他者を認めること、多様性を受け入れること、それが必要不可欠です。
これらは簡単そうで実はとても難しいことなのです。
これができる凄い人のことを「器量のいい人」と呼ぶのでしょう。
もし、あなたが「器量のいい人」と他人から言われたら、それは、あなたが素敵な人に近づいたということなのです。
これからも「周囲の人を巻き込んで向上できる素敵な人」を目指してくださいね。
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