「自分にとって大切な人が思いがけず亡くなってしまった」
「信じていた人が実は自分の事をよくおもっていなかった」
そんな場面に直面して、何だか現実を直視できないことはありませんか。
あなたが感じているのは喪失感かもしれません。
人は人生のうちに喪失感を味わうことが幾度かありますが、それを乗り越えられるかどうかは個人差があります。
いつか味わう可能性が高いからこそ、その対処方法を知っておきたいですよね。
喪失感を覚えるとどんな症状が出るのか、どんな対処方法をとればいいのかあらかじめ知っておくことでよりよい人生をおくれるようにしましょう。
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目次
喪失感とは
価値観を失うような感覚
喪失感は価値観を失うような感覚です。
これまで信じていた人間関係が崩れる。
それによって何もかも終わってしまった。
そんな場面を想像してみてください。
自分が築いてきた信頼が失われ、積み上げてきた実績も消えてしまいます。
これからどうすれば良いのかわからない。
どこへ向かえば良いのか考えられない。
それが喪失感で、いわゆる「魂の抜けた状態」とも言われているでしょう。
喪失感に襲われると、何をやっていても生きている感覚がわかりません。
確かに日常を営んではいますが、感情的な部分が抜け落ちてしまうのです。
悲痛が重なったことでの虚無感
人はあまりに大きな悲しみに直面すると、心の中にぽっかり穴が空いた状態になります。
例えば身近な恋人や友人、家族の死を見送ったあと陥ったりするでしょう。
その人物の存在感があまりにも強くて、現実として受け止めきれなかった虚無感に支配されてしまうのです。
○○は亡くなった。もうこの世界にはいない。
それを充分に理解しているはずなのに、楽しかった思い出が次から次へと浮かんできて、何も手をつけられなくなってしまいます。
また、大事な人からもらった物。2度と手に入らないかもしれない。
それを不注意で壊したとなると、目の前が一瞬にして真っ白になります。
時間が止まったかのような瞬間。そこから喪失感が生まれたりもします。
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どんな時喪失感を感じるのか
では、具体的にはどんな時喪失感を感じるのでしょう。
愛情を注いでいたペットが死亡した時
「ペットロス」という言葉を聞いたことがありませんか?
家族として迎え入れ、いつも日常を一緒に過ごしてきたペット。
言葉は通じなくても、そこには間違いなく愛情はあります。
ペットは人間より寿命が短いため、いずれお別れすることになるのは知っています。
でも、それが実際に目の前で起こったら、その現実を受け入れるには苦痛を伴うのでしょう。
あの子は幸せだったのだろうか。昨日まで走り回っていたのに…。
そんな気持ちが深いところに湧いてくると、もう何もする気力がなくなってしまいます。
熱中していたことを引退した燃え尽き症候群
例えば野球・サッカーなど、学生の頃に部活動を頑張っていたとしても、時期がくれば引退になります。
それは初めから決められていることですが、好きだった部活動ができなくなって、「もうすべてやりきった」という気持ちが燃え尽き症候群を誘発してしまうのです。
熱中していればしていたほど、その喪失感は少なくありません。
もう自分には何もない。そんな状況が、燃え尽きて灰になったような心を作るのです。
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喪失感に襲われた時の2つの症状
喪失感を襲われた時の症状を解説しています。
無気力で怒りの感情さえも湧いてこない
いつもはイライラするはずなのに何とも思わない。
あれほど怒りがあったのにどうでも良くなった。
喪失感があると無気力になってしまうため、勢いや衝動的な感情は湧いてきません。
自分でも不思議なくらいな放心状態を経験となり、孤独でつらい現実を味わうことになります。
自分の周りには誰もいない。
助けを求める場所がない。
そんなやり場のない悪循環が堂々巡りをしているような状態になり、自分の気持ちなのに見えなくなってしまった感じになるのかもしれません。
突然の落ち込みに涙する
苦しいけど行動している。
寂しいけど耐えている。
そんな状態から喪失感に襲われてしまうと、突然の落ち込みに涙が出てくることもあるでしょう。
こんなに頑張ったのに結果がついてこなかった。もう終わりだ…。
そう考えながら過ごしていると、簡単には抜け出すことができません。
それが当たり前の状況となり、そこが自分の居場所だと錯覚してしまうこともあります。
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喪失感を自力で乗り越える3つの方法
喪失感を乗り越える方法をご紹介しておきましょう。
愚痴をすべて吐き出す
誰でも構いません。信頼できる人。SNSで仲良くなった人。
それが難しいなら、ノートに愚痴をすべて書き出すこともオススメです。
最終通告を宣言された。
せっかく頑張ったけど○○は手に入らなかった。
何でも良いから、自分をこんな状態に落とした原因を手放してください。
いつまでも心に中に留めておくと、次のステージへ進むことができません。
書き出しワークをすることで、自分の気持ちを整理するきっかけになるでしょう。
暇な時間を作らない
暇な時間を作ってはいけません。
何をしているのか思い出せないくらい忙しいほうが良いのです。
無理やり仕事を詰め込むのは難しいかもしれませんが、人は暇な時間があると喪失感が膨張してしまいます。
何もすることのない状態が思考や心の動きをあおり、外からの情報を過敏に伝えてしまうからしょう。
心に何もない状態だからこそ、さまざまな方向から不要なものまで入ってきてしまいます。
普通ならそれを自分でシャットアウトできますが、喪失感を持ってしまうと素直に受け入れてします。
そのためそれを防ぐには、空白を埋めるしかありません。
人によってはそれが仕事である場合もあったり、趣味の時間に浸ることだったりしますが、暇である時間をつぶすことが乗る超える近道になります。
占いで未来を鑑定してもらう
非科学的なことになりますが、占いで未来を鑑定してもらうのもオススメです。
ただし、依存してはいけません。
何があっても、自分の未来を変えることができるのは自分だけ。
占いの結果に関わらず、前を向くために背中を押してもらうことが目的です。
そのため漠然とした未来で構いません。
例えば来月の運勢。来年の傾向。
ざっくりとした情報として知ることで、1歩前を向ければそれで良いのです。
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長引かせると精神疾患の恐れもある
精神疾患になるとはどういうことでしょう。
適応障害やうつ病を発症する可能性
喪失感が長引いてしまと、現実の自分と向き合うことができなくなります。
○○をしなければならない。
そう考えるだけで、頭痛や倦怠感に襲われたりする場合もあるでしょう。
早い段階で治療をすれば回避できる場合もありますが、放置しておくと適応障害やうつ病を発症する可能性もあるのです。
根本的な原因を取り除かなければ、心の病気は完治しません。
症状が緩和して回復状態になったとしても、1度発症してしまと簡単には治らないので、注意深く観察しておくことが必要です。
ストレスによる離人現実感喪失症候群
ストレス状態が強ければ、離人現実感喪失症候群に陥ることも考えられます。
離人現実感喪失症候群とは、体や心から自分が切り離されたような感覚になる精神疾患で、とても強い疲労感に見舞われます。
症状が強ければ日常生活も困難となり、それが一層病状を悪化させてしまう場合もあるでしょう。
子供の頃に受けた虐待やネグレストから喪失感を持ち続け、あの日いきなり離人現実感喪失症候群を発症することもあるかもしれません。
合併症の多いパーソナリティー障害
思考や感情のコントロールが難しくなり、対人関係に支障が現れるようになります。
それがパーソナリティー障害で、他の精神疾患を引き起こして合併する可能性の高い病気です。
あまり表に出てこない症状もありますが、背後から合併している病気を悪い方へ引っ張っていくような障害です。
そのため症状が軽かったとしても、本当の原因にたどり着くにか時間のかかる可能性もあるでしょう。
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強い喪失感はうつ病の可能性も疑って
うつ病の可能性を見逃さないようにしましょう。
睡眠障害や食欲減退がある
寝たいと思っていても眠れない。眠りが浅い。夜中に何度も目が覚める。
これらの睡眠障害はうつ病の可能性がります。
また、大好きなものなに食欲が湧かない。
以前よりも食べたいと思わなくなった。
食欲減退の兆候もうつ病の症状として注意が必要です。
これまで普通の生活を送っていたにも関わらず、睡眠障害や食欲減退が目立つなら医師の診察を受けたほうが良いかもしれません。
疲労感や倦怠感が強い
簡単な作業なのに疲労感は大きい。
楽しいことをしているはずなのに倦怠感に襲われる。
そんな症状に心当たりがあるなら、うつ病を疑ってみたほうが良い場合もあります。
特に朝起きてから疲労感や倦怠感が抜けていなければ、その日はそれだけで憂鬱な気分を抱えたまま過ごすことになるでしょう。
それが毎日続くなら、精神的に追い込まれている状態です。
神経が休まらないために、何もしても重い状況から抜け出すこができません。思うに体を動かせなかったり、起き上がることもつらい状態になるケースもあります。
動機や息苦しさを感じる
ある程度の年齢がくれば、階段の上り下りで動機や息苦しさを感じます。
でも、うつ病の場合は年齢に関係ありません。
体力的な衰えとは別のところで、塞ぎ込んでいる気持ちが原因で起こるのです。
そのためやらなければいけないことを考えると、やりたくない気持ちが緊張感をあおり、動機が早くなってしまうこともあります。
あまりに大きなストレスから、普通に呼吸しているだけでも息苦しさを感じてしまうこともあるかもしれません。
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カウンセリングはうつ病から立ち直る第一歩
うつ病を疑ったら、カウンセリングを受けてみましょう。
精神療法でトラウマを緩める
カウンセリングを受けていると、自分の抱えているトラウマがわかります。
向き合うことはとても苦しいことかもしれませんが、トラウマがあるとフラットな気持ちになれません。
同じような場面を思い出したり、「ダメかもしれない」という気持ちが浮かんでくることもあるでしょう。
そのため精神療法を取り入れて、抱えているトラウマの正体を突き止め、本人に合った方法でそれを少しずつ取り除いていきます。
環境を変えて休養する
取り巻いている環境を変えることは、現実の生活を変えることになります。
都市部に住んでいるなら郊外へ。
家族と一緒なら少し離れてみる。
まったく違う場所へ旅行に出かける。
うつ病になった原因によっても対応は違いますが、カウンセリングでは環境を変えることが勧められるケースもあるでしょう。
ただ、環境を変えれば良いというわけではありません。
生活していかなければならないので、そこをフォローできる人が周りにいるかどうかも重要です。
環境を変えることができるなら、その場所でゆっくり心を休養させることがポイントになります。
例えば森の中を歩く森林セラピー。香りで気持ちを癒すアロマセラピー。
可愛い動物に触れるアニマルセラピーなど、さまざまな手法を取り入れることで、心にも変化の兆しを感じることができるようになるでしょう。
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薬の使い方は必ず専門医に相談して
処方された薬は、専門医の指示どおりに服用しましょう。
セロトニンだけを増やすSSRI
SSRIと呼ばれるこのタイプは、セロトニンだけを増やす作用があります。
セロトニンが不足することによる落ち込みに効果があり、憂鬱な気持ちを緩めてくれるでしょう。
副作用が少ないことでも知られていますが、吐き気や下痢などが起こることもあります。
飲み始めは、体が慣れていないこともあって副作用を感じられるかもしれませんが、慣れてくればこれらの副作用が徐々に解消されると言われています。
ただ、飲み忘れると離脱症状を伴う可能性があるため注意してください。
ノルアドレナリンにも作用するSNRI
セロトニン・ノルアドレナリンに作用するSNRIは、気力が低下している場合に効果があります。
どうしても無気力になってしまう。
そんな症状に対して、行動できるように促してくれるでしょう。
副作用として胃に負担を感じられたり、不眠や便秘・尿閉や口渇などの症状が出てくることもあります。
でも、活動的に動けるようになるため、飲んでいるうちに自然と行動できるようになるかもしれません。
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