「どうせ私なんて」「いいなあ、あの人は。ソレに比べて私なんて」と口癖のようにいっていませんか。
もしくは身の周りにすぐ僻んでしまう人がいて、辟易としているという経験はありませんか。
「どうせ私なんて」と繰り返されても、何と言い返せばいいのか分からず困ってしまいますよね。
人はなぜ僻みっぽくなってしまうのでしょうか。
その心理について知っておくと、僻み根性を直したり、すぐに僻んでしまう相手の対処に役立ちます。
この記事では僻みっぽい人の行動や心理について解説します。ネガティブな言動を見直すきっかけにして下さい。
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目次
僻みとはどういう意味か
僻みは「ひがみ」と読みます。
ひねくれることを指す言葉で、良い意味で使用されることはない言葉です。
例えば誰かに「今日の髪型は素敵だね」と言われたとします。
普通であれば、「褒められて嬉しい」と感じ、照れるか相手に「ありがとう」と答えます。
恥ずかしくて「そんなことないよ」と答えたとしても、心の中では喜んでいます。
ところがひがむ癖がある人は、「どうせいつも雑な髪型ですよ」と相手の言葉を曲解して受け取ってしまいます。
他人の言動に対して悪い方向にばかり受け取ってしまい、偏見をもって他人を見るため、客観的に物事を見ることができません。
自分勝手な考えで自分と他人を比較するので、少しでも自分が不利だと感じると「どうせ自分なんて」と嘆く傾向が強いのです。
また「どうせ無理」「どうせ○○に決まっている」など一方的に決めつけることも僻みといえます。
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妬みや嫉みとの違いを徹底解説
「僻み」に似た意味の言葉として「妬み」や「嫉み」を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし厳密には異なる言葉です。
何が違うのか解説していきます。
僻みと妬み・嫉みの違い
「嫉妬」という言葉があるように、妬み・嫉みとは他人に対して羨ましいと感じる事を指します。
一方、僻みはものごとを曲解したり偏見の目でみることを指します。
つまり妬み・嫉みは自分以外の人間に対しての感情であるのに対し、僻みは自分自身に対しての感情です。
僻みは偏見や曲解などにより物事をありのままに受け容れることはできていません。
しかし妬み・嫉みは「羨ましい」を感じるほどには、物事を一度は事実通りに受け容れているという点が異なります。
妬みと嫉みの違い
では「妬み」と「嫉み」が同じ意味かというと、この2つの言葉も異なる意味合いを持ちます。
まず「妬み」ですが、他人を羨ましく思います。
そして羨ましさから相手に憎悪や怒りなどの感情を覚えます。
次に「嫉み」ですが、他人を羨ましく思うと同時に、自分にはできない・もっていないことに劣等感を覚えます。
つまり他人に対して羨ましさを感じ、その感情を相手にぶつけるのか、それとも自分自身にぶつけるのかという違いがあります。
たとえば仕事で失敗をしてしまった時に、誰かが助けてくれたとします。
そのときに「すかさずミスをフォローして上司に称賛されるなんて、私のミスを自分の出世に利用する嫌なやつだ」と考えるのが「ねたむ」という行為です。
逆恨みに近く、自分自身のコンプレックスを相手にぶつけることで気持ちの折り合いをつけようとしています。
また「あの人は他人のミスをフォローする余裕があるのに、私は自分の仕事でさえ手に負えないなんて」と考えるのが「そねむ」という行為です。
自分に劣等感を覚えている分、「ねたむ」よりは他人に害が及ばない気もしますが、やはりあまりポジティブな感情とは言えません。
どちらの感情も、一応は相手のことを認めてはいるのです。
そして認めているからこそ羨ましく感じます。
その「羨ましい」という感情を悪い方向に処理するのが「嫉妬」ということになります。
人間誰しも他人のことを羨ましく感じる瞬間がありますが、その感情をうまく処理しきれず妬み・嫉みに走ってしまうと状況が改善されることもなく、そのせいでまた自分に劣等感を抱くなどの悪循環に陥ってしまいます。
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僻み根性はプライドが高い性格のせいかも
僻み根性は「どうせ私なんか」という自分自身に対して自信がない人ばかりではありません。
むしろプライドが高いせいで僻み根性が出てしまう人もいます。
その心理については次の通りです。
自分は中流以上だというプライドがある
「自分は平均よりは優れている」と考えている人は、相手から他の人と同じように扱われることを「不当な扱い」だと考えます。
特別扱いされないことに苛立ちを感じるのです。
またプライドが高いと自分が他人からどのように見られているのかにも敏感に反応します。
そのため格下だと思っている相手に同等の扱いを受けると「自分の能力を理解できないなんて」と僻みっぽい思考に陥ってしまうのです。
チャンスをものにできないのは自分のせいではないと考える
プライドが高く、自分が平均以上の能力の持ち主だと思っている人は、他の人が能力を発揮したり幸運をつかむと「あの功績は私のものだったはずなのに」「あの幸運は本来私の元に舞い込むものだったのに」と考えます。
そして自分の考えが実現しなかった理由として「自分の能力が正しく評価されず不公平な扱いを受けたから」「あの人はズルをした」と他人のせいにしてしまいがちです。
僻みっぽい人は偏見をもっていたり、自分独自の価値観を持って物事を判断します。
そしてプライドが高いためにその判断基準が間違っていることを認めません。
自分のせいではなく他人のせいでいつも不当な扱いを受けていると考えるせいで、僻みっぽい根性になってしまうのです。
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僻みっぽい人の特徴は努力嫌い
どんな人が僻みっぽい性格になるのかくわしく見ていきましょう。
まず挙げられるのは、僻みっぽい人は努力を嫌うという点です。
努力を嫌うとなぜ僻みっぽくなるのは次のような原因が考えられます。
努力が嫌いだから実力がない
努力が嫌いな人は鍛錬などは行いません。
すると当然ながら、実力が身につきません。
その結果、チャンスに恵まれたり日頃の練習の成果を発揮する機会では満足する結果を出せません。
結果が出せないので何をしても心は満たされないのです。
自分の欠点を環境のせいにしている
努力を怠り結果を出せなくても、僻みっぽい思考の人は自分自身を省みることはありません。
自分が満足できる結果を出せなかったのは環境のせいだと考えます。
「自分は不公平な扱いを受けたせいで結果が出せなかった」「どうせうまくいかないようになっている」など、自分の努力不足は棚に上げて物事の原因を自分以外のせいだと決めつけるのです。
そして不平ばかり口にして自分自身は改善の努力をしません。
自分の努力不足は認めないので、なかなか状況は改善せず、いつまでたっても実力が身につかずますます僻みっぽくなるという悪循環に陥ります。
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いつもネガティブに考える心理が僻みの元
マイナス思考な人は、常に物事をネガティブにとらえます。
そのため物事を素直にとらえることができません。
たとえば知り合いの誰かが宝くじに当たったとしても、素直に「よかったね」「おめでとう」と言えません。
「宝くじにお金を使うなんて、そもそも馬鹿げている」「本当は私が当たるはずだったのに幸運を横取りされた」など悪口や意地悪を口にしてしまいます。
SNSなどでも、嬉しいことを発信する人に対して「バカみたい」などと相手を否定する発言をしてみたり、相手のあら探しをしてしまいがちです。
また自分自身の偏見に基づいた意見を口にするので、事実とは異なる相手を中傷するような言葉も吐いてしまいます。
その結果、人間関係にも悪影響を及ぼしてしまいます。
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僻みっぽい人は他人と比較したがる性格が特徴的
僻みっぽい人は、判断基準が自分自身の中ではなく他人にあります。
そのため他人と自分を始終比較し、「私はあの人より劣っている」と考えてしまうのです。
主観や自己流で物事を判断するため、相手の短所や努力は目につかず「あの人は私と同じはずなのに、私より楽に生きている。
きっとズルをしているに違いない」と考えてしまい「ズルをしていない自分はどうせあの人ほど良い事が起きない」と勝手に僻んでしまうこともあります。
もしくは偏った価値観が自分の中にあるため、常に他人より自分が優れていると考えています。
しかし現実が自分の思い通りにいかず優越感を感じられないと、「自分が間違っているはずがない、周囲が間違っている」と考えるようになってしまい僻みっぽい言動をとるようになるのです。
またプライドが高く僻みっぽい人は、自分よりも幸福な人に敏感です。
いわゆる「リア充」と呼ばれるような、キラキラ輝いた毎日を送る人たちに攻撃的な態度をとってしまうのも、僻み根性からくるものです。
SNSなどで友達との楽しい一時を頻繁に発信する人など楽しそうな人たちに対して、相手を侮辱するようなコメントを残す人たちがいますが、これも僻みからくる言動です。
他人の楽しそうな様子が気になるのであればSNSを見なければすむ話ですが、僻みっぽい人はつい他人の様子が気になってチェックしてしまいます。
そして「この人はこんなに楽しそうなのに私はそうじゃない」と僻んでしまうのです。
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僻みっぽい人との付き合い方4選
なにかする度に、いちいち「どうせ私なんて」「あなたばっかりズルイよね」と僻まれると、だんだん気疲れしてくるものです。
僻みっぽい人とどうしても付き合わなければならない場合は何に気をつければいいのか解説します。
褒める
とにかく相手を褒めます。
「どうせお世辞でしょ、心にもないことを言わないで」と僻みっぽい人は言うかもしれませんが、それでも言い続けましょう。
たとえお世辞だと分かっていても、褒められて悪い気はしないのが人間です。
相手の服装や髪型、仕事ぶり、なんでもいいのでとにかく褒めます。
僻みっぽい性格の人でも、相手に褒められ続けるとその人に対しては僻みが言いにくくなるものです。
自分に自信がないせいで僻みっぽくなってしまった人も、プライドが高いせいで僻みっぽい人も褒めることで関係を改善することができます。
気にしない
「あの人が僻みっぽいのは個性のうち」と思える余裕があれば、気にしないこともひとつの解決方法です。
僻みっぽい人は口ではアレコレ言いますが、行動に移すほどの害はさほどありません。
周囲に悪口を言いふらすようなタイプの人ではない限り、気にしない方が自分自身も精神的に楽です。
適度な距離を保つ
相手が僻むような情報を明かさないことも重要です。
僻みっぽい人は、自分以外の誰かが他人から褒められたり幸せであることに対してマイナスの感情を覚えます。
相手から悪口をいわれたり悪意のある行動を取られないようにするためにも、適度な距離を取っておくことが必要です。
そのためにも自慢話にもきこえるようなネタを相手に明かさないことが重要です。
噂話やSNSで自分の意図しないところで情報が漏れてしまう場合もありますので、僻みっぽい人以外に自慢になるような話をしないようにしておくことも重要です。
またSNSのグループ分けなどにも注意が必要です。
情報をコントロールすることで、僻まれることを回避することができます。
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相手と自分は違う種類の人間だと割り切る
相手の考え方や行動を変えるのは至難の業です。
ほぼ不可能だと考えてもいいでしょう。
ですから「相手は自分とは違うんだ」と理解できないことを頭に入れておくと、たとえ僻みっぽい言動に晒されても動揺せずに対処できます。
相手を理解しよう、間違いを矯正しようと考えると精神的な疲労がすさまじいものになってしまいます。
あまり深く関わらないでもいい相手であれば、「違う種類の人間だ」と考えるのが得策です。
僻み根性を直す4つの方法
自分自身でも「すぐ僻むな」と感じている方は、どうすれば治せるのか悩んでいることでしょう。
僻み根性を治す方法について解説します。
自分に適度な自信を持つ
まずは自分の良いところをみつけましょう。
たとえ他人と比べると劣っている面があったとしても、「自分にもいいところがある」と知っていることで心にゆとりが生まれます。
「こんなにがんばっているのに誰も評価してくれない」と僻むのではなく、「自分はこんなにも頑張った、えらい」と思えるようにしましょう。
自分と他人を比較しない
いつも他人と自分を比べてばかりいると、自分の欠点ばかりに目がいってしまいます。
最近ではSNSやインスタグラムでキラキラした日常や充実した仕事ぶりを発信する人が多いため、余計に「自分がみじめ」と感じるかもしれません。
しかしあくまでインターネットの世界で自分をよく見せているだけという人もいるのです。
情報の真贋や、本人の努力など深いところを見ないで表面だけを見比べていると辛いだけです。
「人は人、自分は自分」と思えるようになりましょう。
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没頭できる自分の世界をもつ
自分に自信がある人、自分が没頭できる世界を持っている人は自分と他人を比較しません。
自分が没頭できる世界、たとえば趣味などをもつといいでしょう。
得意なことでもいいのです。
満足感を得られるほど打ち込めるものがあれば、「自分にはなくて他人にあるもの」を羨ましく感じることもありません。
感謝の気持ちをもつ
「どうして○○してくれないの」と考えてばかりだとネガティブ思考になります。
相手に求めるばかりではなく、誰かから何かしてもらったら大小にかかわらず「ありがたい」という感謝の気持ちを持つようにしましょう。
自分のおかれた環境や与えられた仕事に対して、「当たり前」「足りない」と考えるのではなく、素直に「ありがたい」と思うことで、些細な出来事も嬉しく感じられるようになります。
自分の考え方を改めると、自然と周囲の反応も変わってくるものです。
他人や環境、社会の仕組みが変わるように願ってもなかなか実現しないものですが、自分が変わることは比較的かんたんです。
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