恐怖という感情は誰にでもありますが、「どんなものが恐怖を感じるものか」という点については人それぞれです。

 

先の尖ったものが苦手な人、特定の状況が怖い人、ある腫の動物に対して恐怖を覚える人などがいます。

 

この記事では中でもぶつぶつしたものに恐怖を感じる「トライフォビア」についてくわしくご紹介します。

原因を知って克服方法を取り入れましょう。

 

自己診断方法もご紹介しますので、自分自身はどうなのか振り返る材料にして下さい。

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トライフォビアとは?

 

トライフォビアとは、日本語では集合体恐怖症と言われます。

 

正式な病名にはなっていませんが、実際に小さな粒の集合に対して嫌悪感を持つ人たちがおり、その人数はおよそ数千人程度とされます。

 

小さな粒の例としては、カエルの卵やハチの巣、水玉模様、いちごの表面についた種などを挙げることができます。

 

全世界人口に対して数千人ということなので、ごくまれな人数であることは確かですが、それでも生活の様々なところに、大きな支障をきたしてくることになるでしょう。

 

ぶつぶつ恐怖症とか、斑点恐怖症と言われることもあります。

トライフォビアは身体にどんな症状が出るの?

 

トライフォビアによって、身体にその影響が出てしまう人もいます。その1つが、かゆみです。

 

つぶつぶの集合体を見た事で身体にストレス反応が起こり、全身に蕁麻疹が生じる人もいます。

 

また気持ち悪さから嘔吐してしまったり、動悸やめまい、血圧低下が起こる人もいます。

 

トライフォビアで苦しむ人の全体数は少ないかもしれませんが、全身に蕁麻疹が起こるまでの症状のことを考えると、決して看過して良い恐怖症であるとは言えないでしょう。

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トライフォビアの精神的な症状が苦しい

 

前章ではトライフォビアの身体症状について、お伝えしました。トライフォビアの症状は身体面だけでなく、精神面にも及びます

 

まず1つめが、つぶつぶ様のものに対する強い恐怖感や嫌悪感です。

 

恐怖感は不安感とは異なり、何に対するものなのかということがはっきりとわかります。

 

かつ、普通の人であれば何でもないものに対して恐怖感を感じるわけです。

 

例えば普通の人は苺を見たら、「甘そう」「美味しそう」などと思うでしょう。

 

しかしながらトライフォビアの人は、「つぶつぶに飲み込まれてしまうのでは・・」等の恐怖感を感じます。また、漠然とした不安も精神症状の1つです。

 

つぶつぶ様のものは、街のいたるところで目にする機会があります。それだけに、いつまた目にするか・・と思い、高いストレス状態にあるのです。

 

悪化・進行するとうつ状態に陥ることも

 

あまりに高いストレス状態になると、脳が過度に高い緊張を強いられるようになります。

 

そしてそれが続くとトライフォビア自体が悪化・進行するだけでなく、脳自体に機能障害が起こるようになります。

 

具体的な機能障害としては、不眠や急激な気分の落ち込みなどを挙げることができます。

 

つぶつぶ様のものを見る事で、失神を起こしてしまうこともあります。

 

トライフォビアは放置しておくと、さらなる精神症状に繋がっていく可能性があるので、早い段階で気づいて手立てをする必要があります。

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自己診断でトライフォビアチェック

 

病院まで行かずにも、自己診断でもトライフォビアかどうかチェックすることはできます。

 

街の中には至る所につぶつぶ様のもので溢れかえっています。

例えばハチの巣であったり、カフェオレに浮かんだ小さい泡の集合、まだら模様や水玉模様のものです。

 

 

トライフォビアの人は、そういったものを見ると直視することができません。

一般的にトライフォビアでない人は、そのようなつぶつぶ様の物を見ても何とも感じません。

 

つぶつぶ様の物を見て何かザワザワとした感覚がある、などの人は、トライフォビアの可能性があります。

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トライフォビアが起こるメカニズム

 

何か食べ物等のアレルギーであれば、その物質を食べたり触れたことで反応が起きます。

 

物質に触れていないのに何故トライフォビアとして蕁麻疹等が起こってくるのか?ということや、どのようにして起こってくるのか、メカニズムを知りたいと思う人もいることでしょう。

 

トライフォビアは、生命の進化の過程で生まれてきた反射反応であるといえます。

 

長い進化の過程で遺伝子情報には、有毒生物から体を守るための無意識的な反射反応が備わっています。

 

例えば赤ちゃんが苦い野菜などを好まないのは、苦いものには毒があるものが多かったからです。

 

同じように植物等に触れてかぶれるのも、蕁麻疹などにして反応を出すことで、体を守っているのだといえます。

 

蕁麻疹として目に見えれば、接種を控えたり気を付けたりもできます。

 

トライフォビアも長い進化の過程の中で、つぶつぶ様のものが体に誤作動を起こさせた情報が遺伝子に刻まれています。

 

それが危機回避として、何かのタイミングで発現したのが、トライフォビアであると言えます。

 

幼少期の嫌な経験がトライフォビアのきっかけ

 

トライフォビアが起きるきっかけとしては、tの体験が大きく影響しています。

 

例えば卵アレルギーのお子さんの中は、魚卵にもアレルギー反応を起こす人が大勢います。

 

まだ小さい頃に、たまたま親の目が届かぬ時に魚卵を食べて全身に蕁麻疹等が出たりすると、蕁麻疹が起きたという体験が恐怖として体に残っていることがあります。

 

また同じように、アリや蜂の大群に襲われたという体験は、小さい子供にはかなりのトラウマを残す可能性が高いでしょう。

 

そのようなトラウマから、小さい丸いものの集合体を見るだけで苦痛を感じ、皮膚等に症状としてあらわれてきたのがトライフォビアであると言えます。

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皮膚や手に合成した悪意ある蓮コラはむやみに見ないのが賢明

 

手や足、顔等皮膚に、ぶつぶつした写真を合成した蓮コラというものがあります。

 

手足に普通ではない隆起などが起こっているので、トライフォビアがない一般人でも鳥肌が立つという人もいるでしょう。

 

このような悪意がある蓮コラは、トライフォビアの人が見ると「自分にも同じようなことが起こるのではないか」と強い恐怖を駆り立てます。

 

そのために、むやみやたらと蓮コラは見ないのが賢明です。

 

Apple Watchに嫌悪感を感じるのもトライフォビア

 

Apple社から発売されているApple Watchは、腕時計の機能と電話等コミュニケーションツール、管理ツールが1つになったものです。

 

これは表示画面を自分で切り替えることで、自分でいくつかのアイコンを並べることもできます。

 

この並んだアイコンも、トライフォビアの人にとっては気持ち悪いと感じることがあります。

 

並んだアイコン自体には何も気持ち悪さを発生させる要因はないのに、それを見て気持ち悪さを感じるということがあれば、トライフォビアである可能性は高いでしょう。

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トライフォビアの克服には暴露療法が用いられる

 

トライフォビアを克服したいと思う人も、いることでしょう。

 

一般的にトライフォビアの克服には、暴露療法という方法が用いられます。

 

これは苦手なものに何度も遭えてさらすことで、その苦手なものに慣れていくという方法です。

 

まず自分の苦手なものを、リストとして挙げていきます。

 

そしてそのリストを不安の高い上位からランキングしていき、一番不安が低い下位からチャレンジしていくのです。

 

暴露療法はとても効果の高い方法ですが、強いストレスがかかる方法であるともいえます。

 

そのため軽い気持ちで行うのではなく、しっかりとした準備の上で行うことが、おすすめされています。

 

自問自答してトライフォビアの原因を探ろう

 

トライフォビアの解消には、苦手な模様に遭えて触れ続けされるだけは根本解決にはなりません。

 

イチゴのつぶつぶでも水玉模様でも、どんなものにでも反応してしまう人の場合には、何がきっかけになったかを思い出せない人もいるかもしれません。

 

けれどもきっかけとなった体験やその当時の感覚を思い出し、解消させてあげることが、克服には必要なことです。

 

何が原因であるのか、自分自身の記憶を振り返り、根本原因を探るようにしましょう。

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慣れることは克服への大きな鍵

 

世の中から水玉模様やつぶつぶしたものがなくなる日がくるかと言えば、そのような日がくることは、限りなく現実的にはあり得ないでしょう。

 

トライフォビアの克服には、慣れていくことが大きなカギとなります。

 

 

心理療法の1つである行動療法には、不安階層表という手法があります。恐怖や不安の強度を数字で、0(小さい)から10(大きい)で示し、不安の高いものから順番に並べていくのです。

 

そして不安の小さいものから短時間ずつ、慣らしていくという方法です。ポイントは、不安が小さいものから順番に慣らしていくことです。

 

小さい不安に慣れていくと、大きな不安も今までより感じる程度が小さくなります。そうやって、自分の不安に対する限界を下げていくのです。

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健全な心身状態を心がけてトライフォビアを克服しよう

 

不安階層表を作って不安に晒しても、気持ちに不安が大きな状態では、なかなか慣れていくということがありません。

 

元々持っている安心感を高めていくことも、とても大切なことです。

 

瞑想や呼吸法、ウォーキングやヨガ等、日々の習慣の中にリラックスにつながるものを積極的に取り入れていくほか、心地よい睡眠を得ることで、潜在意識としても不安はないことを体に覚えさせていく必要があります。

 

失敗なく克服するには自己流でなく専門医に相談

 

トライフォビアを克服させる暴露療法は有効性が高い方法ですが、かかってくるストレスも大きなものとなります。そのためうまくいかないと、さらなる症状の悪化(=二次発症)が起こる可能性があります。

 

失敗せずに克服するには専門家の力を借りることが、大きな助けとなります。精神科であれば、不安に対して抗不安薬や抗うつ剤を処方してくれることもあります。

 

できるだけ自己流ではなく、専門家のサポートを得ながらトライフォビア克服に臨みましょう。

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