食事の席は誰もが仲良くなることができる場ではありますが、一方でマナーに気をつけなければ一気に好感度が下がってしまう場面でもあります。

 

そんな食事の席で気をつけたいマナーの1つが「迎え舌」です。

気がつかないうちにクセになってしまい、人から指摘されても何が悪いのかが分からないという人もいるのではないでしょうか。

 

この記事ではそんな迎え舌の原因と治し方、人に与える印象などについてくわしく解説します。自分の食事の様子を振り返りながら参考にご覧下さい。

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迎え舌とはどんな仕草?

 

迎え舌とは漢字が示すように、食事の時に食べ物を口の中に入れる前に舌が出てきて食べ物をのせる仕草を指します。

 

TVで芸能人やアナウンサーが食事するシーンで、大口を開けて派手に舌で食べ物を受け止める様子を見たことがある、という人は多いのではないでしょうか。

 

たとえば蟹なんかを食べるときに、「あーん」と大きく口を開けて剥いた蟹の身を舌で受け止める、という絵面などです。

 

正直なところ、「こんなにカワイイ子なのに、こんな食べ方する子だったなんてガッカリ」「格好いいと思ってたのに、なんだか生理的に嫌になった」と不快感を感じたという方もいるでしょう。

 

舌出しポーズは下品であると見なされることが多いですが、迎え舌も同じです。

舌を出す仕草は相手を馬鹿にしているとみなされる行為でもあります。

 

舌をべろりと出してものを食べる姿は「犬」を連想させることもあります。

そのため迎え舌は行儀が悪い、品がないといわれることが多いです。

つい迎え舌になってしまう6つの原因

 

迎え舌は「意識してやっている」というよりも、「気づいたら迎え舌になっている」「他人に指摘されるまで気がつかなかった」という人の方が多いです。

そもそもなぜ迎え舌になってしまうのか、その原因は次の通りです。

 

幼少期からのしつけ

迎え舌のはっきりとした原因についてはまだよく分からない部分が多いですが、最も原因として考えられるのは親のしつけです。

 

子どもは最初から上手に食事ができるわけではありません。

試行錯誤をしながら、その都度親が正しい食事のマナーを教えることでようやく上手にご飯が食べられるようになります。

 

しかし子どもの迎え舌を親が指摘しないまま成長してしまうと、そのまま癖として一生残ってしまうのです。

また親の姿を子どもは真似るため、親が迎え舌を行っていると子どもも迎え舌になる可能性は高くなります。

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一気食いしがち

1度にたくさんの量の食事を口に入れようとすると、自然とこぼしやすくなるので食べにくくなります。

そのせいで、「こぼさないように食べなきゃ」と思うと無意識のうちに迎え舌になってしまいます。

 

赤ちゃんの頃に使用した道具が口に合わなかった

赤ちゃんの頃に使用した「ほ乳瓶の乳首」や「おしゃぶり」の形状が口に合っておらず、舌の動かし方に変な癖がついてしまう場合があります。

 

最近の赤ちゃんグッズにはこうした「癖」がつくことを予防したものもありますが、やはり赤ちゃんにも個人差があるので「100%癖がつかない」というわけにはいかないようです。

 

離乳食が柔らかすぎた

赤ちゃんは大人と同じ食事に移行するまでに、離乳食を食べて「固形物を食べる訓練」をします。

 

最初は柔らかい食べ物からスタートして、徐々に舌の動かし方や未熟なあごの筋肉などを鍛えていきます。

 

そのため段階的に食べ物の柔らかさを調整していきますが、うまくいかないとあごの筋力が未発達になり、迎え舌になりやすいと考えられています。

 

また離乳食は市販品もあり便利にはなりましたが、市販品の離乳食は柔らかすぎることが多く、頼りすぎは迎え舌になってしまう可能性が高まります。

 

 

口呼吸が多い

口呼吸とは口で呼吸することですが、酸素を取り込むために口が開きがちになります。

反射的に口が開くと舌が前に出ます。

 

そのため鼻呼吸よりも圧倒的に口呼吸が多い人は舌が前に出やすいことになり、迎え舌になりやすいといえます。

鼻炎や花粉症などで鼻呼吸が難しい人ほど口呼吸に頼りがちになり、迎え舌になりやすいです。

 

よく噛まない

食べ物をよく噛まない人は、舌の筋肉の発達が未熟になるか衰えてしまいます。

筋肉が衰えると舌は前へだらりと飛び出します。

つまり早喰い傾向がある人ほど迎え舌になりやすいといえます。

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迎え舌になってしまう時の心理とは

 

迎え舌になってしまう時、どんな心理が働いているのかくわしく見ていきます。

 

こぼさないようにしたい

箸の持ち方が悪かったり、一度にたくさんの量を食べようとすると、食べる前に食べ物をこぼしやすくなります。

「食べやすいようにしたい」と考え、無自覚のうちに口を開けると先に舌が出てしまい迎え舌になるのです。

 

自信がある

「舌を出す姿を他人に見せる」という行為は自分の恥ずかしい姿をさらけだす行為でもあります。

つまり相手への信頼があって気を抜いている、あるいは素の自分を見せても良いという余裕がある状態が「迎え舌」という行為に現れているといえます。

 

実際に自意識過剰な女性になると、「迎え舌は甘えた仕草であり、可愛い」と考える人もいます。

 

おいしそうに見える?

芸能人が食事のレポートを行う時に迎え舌になるというお話を先ほどしました。

じつはこの仕草は「わざと」という場合もあります

レポートする技術の中に、「食事をするときは舌を出してみせると美味しそうに見える」という考えがあるため、わざと迎え舌を行うようです。

 

TVの世界では画面の向こうにできるだけたくさんの情報を伝えようとして、オーバー気味のリアクションをとることがあります。

いわば演出の一環として迎え舌をしているというわけです。

 

しかしあくまでテレビの中の表現であって、実生活で行うと至近距離で舌を見せられる食事相手としてはおいしそうにみえるどころか食欲を減退させる効果があります。

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海外では迎え舌がマナー違反ではないの?

 

教育によってマナーは伝えられるものですが、国や地域によってマナーはまた異なります。

日本以外での迎え舌について見ていきましょう。

 

迎え舌は日本のマナーでは下品

日本において、迎え舌はマナー違反とされています

舌は本来体の中にあるものであって、人前に出す物ではないと考えられているからです。

 

まれに男性の中には「女性が舌を出す仕草はセクシー」と考える人もいますが、これは性行為を連想するからであり、やはり迎え舌は下品であると見なしているといえます。

 

同じアジア圏ではマナー違反ではない場合もあり

日本と同じ箸使いの国といえば中国や韓国が挙げられます。

しかし食事マナーも一緒というわけではありません。

 

似ているように見えても食事中の行儀や作法については逆であることも多いので、日本のルールで他国の人の食事中の仕草をはかるのはやめたほうがいいでしょう。

迎え舌も中国や韓国ではそこまでマナー違反というわけではないようです。

 

アジア圏以外では迎え舌はOK?

アジア圏以外では食事中のマナーはあまり厳格でないことが多いようです。

 

宮中晩餐会などの改まった席はまた別ですが、庶民の食卓については日本ほど厳しくないのが実情です。

国によっては膝を立てるのが当たり前だったり、フォークなども使わず手で食べることもあります。

 

自由に楽しく食べれば良いという考え方の地域が多いです。

その国それぞれのマナーを尊重したいものです。

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綺麗な食べ方get!迎え舌の治し方

 

迎え舌のマイナス点が分かったところで、改善方法が分からなければ困りますよね。

迎え舌を治してキレイな食べ方になるコツは次の通りです。

 

ゆっくりと食事をとる

迎え舌は無意識的に出てしまう癖です。

「急いで食べないと」とスピードや効率ばかり考えて食事すると迎え舌になっても自分では気がつきません。

 

しかし落ち着いて食べると自分の食べ方を意識することができるので、迎え舌にならないように食べることになります。

続けて行えば、いずれ意識しなくても迎え舌をしないように訓練することができます。

 

よく噛んで食事する

咀嚼することで人間の舌やあごの筋力が鍛えられます。

まだあごの筋力が未発達な子どもはもちろん、大人も使わなければ筋肉は衰えてしまいます。

よく噛むことは迎え舌を直すだけではなく滑舌や歯並びが良くなる、脳機能が活性化されるなどの良い効果がたくさんあります。

 

特に歯並びに関しては、舌がきちんとした位置におさまっていなければ出っ歯になりやすく迎え舌が大きく影響を与えます。

できれば常に心がけたい習慣です。

 

一度に食べる量を減らす

「こぼさないようにして食べないといけない」という気持ちから迎え舌になってしまう場合は、一度に食べる量を減らすとこぼすおそれが少なくなるので迎え舌になりにくくなります。

 

大きい食べ物はかぶりついて食べるのではなく、小口に切り分けて食べるようにするといいでしょう。

 

呼吸方法を変える

口呼吸が習慣化していると口が開いたままになり自然と舌が前に出やすくなります。

鼻呼吸を意識して行うことで、自然と口を閉めることができます。

呼吸方法を意識して変えてみると迎え舌を変えることができるようになります。

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迎え舌が治らない時は4つの病気に要注意

 

どんなに意識しても迎え舌が治らない場合があります。

それは病気が原因の時です。

どんな病気が考えられるのか解説します。

 

鼻炎

なかなか口呼吸から鼻呼吸中心に変えられない場合、鼻炎や花粉症など鼻のとおりがわるい病気が原因となっている可能性があります。

また一時的ですが、風邪で扁桃腺が腫れているときや蓄膿症や気管支喘息の症状が出ている場合も鼻のとおりが悪くなるので口呼吸になってしまいます。

 

早めに原因となる症状を治す必要があります。

 

うつ病

うつ病は心の病です。

迎え舌について思い悩むあまり、うつ病を発症する場合もあります。

 

その場合はうつ病についても向き合わなければ迎え舌は治りません。

心の治療も行いましょう。

 

ドライマウス

口の中が乾燥してしまう症状をドライマウスといいます。

水を飲んでいるのにも拘わらず喉の渇きが3ヶ月以上続いている場合はドライマウスを疑った方が良いでしょう。

 

原因の1つに「舌の痛み」が挙げられますが、噛む力が弱いせいでドライマウスになってしまうこともあります。

そして噛む力が弱いと言うことは舌の筋力も衰えやすく、迎え舌になりやすいということです。

 

 

誤嚥性肺炎

水や食べ物や逆流物が誤って肺につまってしまうことで炎症が引き起こされ、肺炎に至ってしまう症状を誤嚥性肺炎といいます。

飲み込む力の弱くなった老人などに多く見られる症状です。

 

迎え舌だと舌の筋力などが弱ってしまっているので、誤嚥を防ぐことができずに誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。

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迎え舌以外にも食事の7つのマナー違反

 

迎え舌以外にも、食事のマナー違反はいろいろな種類があります。

どんな行為がマナー違反なのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

 

クチャラー

食べている時に咀嚼する音が外に漏れている人のことを「クチャラー」といいます。

どんなに見た目が可愛い人、キレイな人、かっこいい人であっても、デートのときや至近距離での食事の時にクチャラーであることが発覚した途端、100年の恋も冷めるといわれるほど嫌われる食事のマナー違反です。

 

クチャラーである人は、食べるときに口が開いてしまっていることが大きな原因です。

食べるときは口を閉じるように注意しましょう。

例外的にラーメンや蕎麦などはすする行為が許される風潮がありますが、日本国外だと嫌われる傾向にあるようです。

 

口の中に食べ物を入れたまましゃべる

口の中に食べ物をいれたまま喋ると、口の中で噛み砕いた状態の食べ物が他の人に見えることになります。

ゲロの一歩手前の状態の食べ物を見るのは誰しも気分がよくないものですよね。

 

また口の中に食べ物を入れた状態で喋ると口から食べ物をこぼす可能性もあります。

口の中に食べ物をほうばる状態で喋らないようにしましょう。

 

食事の席でタバコを吸う

最近ではほとんどの飲食店が分煙もしくは禁煙になっているように、食事の席でタバコを吸うことはマナー違反であるという社会的な風潮になっています。

 

法律的にも定められています。

飲食店ではなく自宅や知人の家であっても、食事をしている人の近くでタバコは吸わないようにしたいものです。

 

犬食い

机の上の食器に顔を近付けてそのまま器から食べることを「犬食い」と言います。

その名の通り、食べる姿が犬に似ているためです。

人間のマナーではないということですので、やっているひとはすぐに改善した方が良いでしょう。

 

姿勢が悪い

猫背だったり片足だけ膝を立てて座ったまま食事をしたり、頬杖をつきながら食べたりと姿勢が悪いと食事マナーも悪いといえます。

また姿勢が悪いと食べ方も汚くなります。

きちんと背筋を伸ばして適度に肩の力を抜いて食事をしましょう。

 

 

箸の使い方が間違っている

箸を握りしめるように使っていたり、箸が交差するようにして持っていたりと箸の使い方が間違っている人がいます。

「箸の上げ下げを見る」とはその人となりをじっくり観察することを指しますが、それだけ箸の使い方にその人の品格が表れると考えられていることになります。

 

正しい箸の使い方は子どもの頃の訓練にかかっていますが、大人になっても矯正することはできます。

 

食事をしながら携帯電話をいじる

食事中の携帯電話の使用は賛否両論分かれるところですが、やはり携帯電話の画面に注意力が向いてしまうので、食事が疎かになります。

その結果、食べ物をこぼしたりよく噛んで食べないなどの弊害があります。

 

それに相手がいる食事の席で、相手のことは放置して携帯電話に夢中になるのはやはり行儀が良いとはいえません。

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