一致するから同じ道を選択できたり、一致させることで手間を半分に出来たり、一致しないことを組み合わせることで守備範囲を広げたり出来る利害関係

気にしなくても損だし気にし過ぎると感受性を殺してしまう利害関係について、掘り下げみることにしましょう。

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利害関係の言葉の意味

 

最初に、なんとなく使っている利害関係という言葉の意味そのものについて、振り返ってみましょう。

 

利害関係とは

利害の利は利益のこと、害は損失を意味している字ですので、利害とは利益と損失、損得を表す語句ということになります。

同じ物事によって、複数の個人や団体の間で損と得が発生する関わりが、利害関係です。

 

この時、同じ物事によって特をする同士や損をする同士だけでなく、一方にとって得となることが、もう一方にとっては損となる場合も、利害の関係にあります。

 

利害関係に現れるもの

お互いの特と損は、金銭の動きに表されることが一般的です。

お金が入ってくれば得、出ていけば損という判断をしがちです。

この指標は、経営においても損益として使われますし、貿易においても、お金が入ってくる輸出額とお金が出てゆく輸入額とを比べて、黒字や赤字といった判断に使われるものです。

 

しかし、利害関係を生み出すのは、なにも金銭のやりとりだけとは限りません

 

お互いの損を左右する重要な要素は、情報です

どれだけ正しい情報をどれだけ早く手に入れることが出来るかが、損得を左右する鍵になり得ます。

このことから、利害を共有する同士では、頻繁に情報が交換されます。

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利害が一致するとは?

 

よく聞く「利害が一致する」の言葉ですが、これって一体、何が一致したことを指して言う言葉なのでしょうか。

結果からさかのぼることで、「一致する」の言葉の指すものを考えてみましょう。

 

一致するの定義

一致とは、2つ以上のものの間に食い違いがなく、ぴったり一緒にである状態を表す言葉です。

同じように2つ以上のものが合わさっても、その内容が一緒にならないのであれば、それは合併という言葉であり、別のものです。

一致するものには、行動や、目的、そこに至るまでの活動や結果等に細分されます。

 

欲しているものと避けたいもの

利益とは自分にとって都合がよく、手に入れたいとか、こうなってほしいといった、欲しているものです。

損失とは、失うことを望んでいないもの、出来るならば避けたいものです。

利害が一致するとは、別々に行動している複数の個人や団体の間で、欲しているものや避けたいもの、あるいはその両方が一致している状態を表しています。

 

利害関係の一致は誤用の場合も

照らし合わせることの出来る一致点は利害の各項目であって、利害の関係ではありません。

 

本来、利害関係とは、一つの結果から発生する利害を共有する者同士という意味で、それが一致するとは、全く同一の結果による影響を被る同士、といった意味合いになります。

ところが、利害関係の一致という表現は、様々な場面で目にすることができ、それらの多くは、残念ながら、関係ではなく利害が一致している状態を表そうとした誤使用です。

 

本当に言いたいことがどちらなのか、誤使用の可能性も踏まえて読み取るようにしたいものです。

 

利害関係者ってどんな人?

 

利害関係は、会社組織の中にも経済活動の中にも、社会生活の中にも存在しています

理解を深める為に、利害関係者となる関係を、いくつか具体的に挙げて想像してみましょう。

 

 

狭義の利害関係と広義の利害関係

利害の関係には、その人の存在に関わるような依存関係にあるものと、そうではないものがあります。

 

従業員にとっての企業のように、その人の存在が対象に依存しるものは、狭義の利害関係と言われます。

商店と顧客の間のような、双方に依存関係が存在しない関係は、広義の利害関係です。

 

ステークホルダー

組織が行う活動によって、直接的または間接的な影響を受ける利害関係者のことを、ステークホルダーと言います。

企業にとって、その存在が依存する、株主や債権者は、狭義のステークホルダーとなりますが、広義では、顧客や、従業員、仕入れ先等も、ステークホルダーとなり得ます。

 

社会における会社の存在意義

企業にとって間接的な利害関係者としては、消費者や、それを取り巻く地域社会、規制をしたり支援をしたりする、行政も利害関係者です。

企業は、その活動が消費者に向けて歓迎される社会的影響となるように、企業理念や活動方針を作ります。

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人間関係における利害関係とは?

 

利害関係は、数字化出来るビジネス上の損得勘定だけではありません。

利害は、人間関係の上にも存在するのです。

そしてまた、利害関係によって形成された人間関係は、その利害関係の上に成り立っているという必然性を持ちます。

 

職場での利害関係

職場では、個人の能力には限界があり、大きな仕事ができません。

また、各々の能力の特性を組み合わせることによって、難しい問題にも取り組めるようになります。

そのため、会社組織の中ではチームを組んで仕事にあたります。

こので、好ましい業績を上げるには、チーム内の個々人の間にも、利害関係が生まれるのです。

 

教育現場での利害関係

学生生活の上では、経済活動のような利害関係は生まれにくいと言えるでしょう。

しかし、優秀な生徒を育てたい教師と、自分にとって分かりやすい授業をして欲しい生徒の間には、利害関係が生まれます。

その共通の目的である成績は、お互いに利害の一致したポイントです。

 

更に、教師同士においては、その成果を正当にする為、生徒にとっては社会性を育むという目的の為に、クラス分けという手段が取られます。

クラス分けの結果が、その後の成果に結びつくかどうかは、生徒にとっても教師にとっても利害の対象となります。

更に、その成果は、就活の成否という形でも現れるものです。

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4人に1人は利害関係で友達付き合いしている

 

仲良しのつもりであっても、場面を区切ってみると、実はお互いの間に存在する利害関係を維持するために打算的に振る舞っていることがあります。

仲良しの間でも、4回に1回はそのような場面になると言われています。

なんと、仲良しの中に4人に1人は利害関係でその場に臨んでいることになります。

 

友達付き合いのメリット

友達付き合いは、一緒にいることで楽しく過ごせる仲間の間に生まれる人間関係です。

なにも、友だちがいないとぼっちになって寂しいからという理由で付き合っているわけではありません。

友達といると、楽しいことだけでなく、嬉しいことや、困った時には助け合うこともできます。

 

テストの時には、それぞれが得意分野を教え合うことも出来ますし、お小遣いが足りなくなった友達を、おごりで助けることもできます。

この助け合いは、利害関係そのものです。

ただし、その関係が友達として機能するためには、助け合いは一方通行ではなく、お互い様でなければなりません

 

利害関係を上手く利用する

友達の間で利害関係を上手く使うと、自分の可能性も広がります。

 

お互いの連絡先を共有することで、困ったときに助けを求めることが出来るようになりますし、グループ内で解決出来ないような問題には、人脈を使って枠を広げることも出来るようになります。

 

ゼミでは、テーマを分担した相手と情報を交換することによって、自分のテーマの周囲が見えるようになり、より自分のテーマへの理解度も増すというものです。

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利害関係の男女が恋人になると上手くいくって本当?

 

お互いの利害関係が理解できているということは、お互いに何をして欲しいかが分かるということです。

そんな関係の男女が恋人になると、色々なことが単純になることでしょう。

更に、その方向が一致しているならば、二人で夢さえも共有できるということになりますね。

 

男女の間の利害関係

 

恋人の間では、利害が一致している必要はありません。

一方にとって望ましいことが、もう一方にとっても望ましくさえあれば良いのです。

まさに、利害の関係が共有出来ていれば、すれ違いという不幸は、生まれなくなります。

 

例えば、誕生日プレゼントについて考えてみましょう。

誕生日プレゼント、貰う側にとっては利益、あげる側にとっては損失となります。

ところが、この関係が男女の間では、好きな人がプレゼントをくれた、好きな人がプレゼントを喜んでくれたというのは、お互いの利益です。

そこでは、恋愛の感情が橋渡しとなることで、利益と損失の関係が、利益を共有する関係に変化しました。

 

結婚はギブアンドテイクの関係

いつもお互いに喜ばしい存在であることが理想ですが、結婚生活では、全ての振る舞いで利害が一致する訳がありません。

長く一緒に生活することを前提として、将来を共有する相手として信頼することが大切です。

 

その信頼があれば、お互いに相手が求めているものを提供すること、求めている形になることの為に、努力を続けることが出来るようになります。

結婚生活、そこに必要なのは恋愛感情でも友情でもなく、ギブアンドテイクの関係です。

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公務員は利害関係者との接触は禁止です

 

お互いに理解していると幸せになれそうな利害関係ですが、残念なことに利害関係の存在する公務員との接触は禁止されています。

このことが、色々と面倒なことを呼び寄せることもあります。

 

 

 

公務員に課される倫理規定

国家公務員には、国家公務員倫理法という公務に対する国民の信頼を確保するための法律が適用されます。

この法律の中では、倫理規定として利害関係者との付き合い方が、厳しく規制されています

 

たとえば、利害関係者とのゴルフや旅行は、接待ではなく割り勘であっても、過去の事例から不必要な憶測を呼ぶことを避けるため、全面的にに禁止されています。

基本的には、贈収賄の疑いに繋がるため、香典や祝儀も受け取ることが出来ません。

 

しかし、この受取の禁じられている対象は、自分の知り合いの範囲の者であって、故人や新郎新婦本人の縁故であれば、受け取ることが出来ます。

同様に、接待を受けたり、利害関係者との飲食は禁止されていますが、出席した会議で出された弁当や、大人数での立食パーティーにおける飲食などは、禁止対象から除外されています。

 

しかしながら、誤解を招くような行動は、慎まれるべきであることには変わりありません。。

もし、倫理規定に違反した場合には、懲戒処分を受けることになります。

 

倫理規定における利害関係者

漠然と利害関係者と言われても想像がし難いかもしれません。

倫理規定における利害関係者とは、当該公務員の携わる業務の中で、便宜を図ることが可能な関係にある対象者です。

 

具体的には、次のような人や団体が含まれます。

許認可の申請者、補助金の交付申請者、立入検査や監査等を受ける者、不利益処分の名宛人、行政指導対象者、所管業界の事業者、契約による債権・債務関係者、等。

 

他に、変わったところでは予算、級別定数、定員の査定を受ける国の機関というものもあります。

更に、公務員が配置換えになった後でも、3年間は影響を与えることが出来る状態であるとして、利害関係者と認められます。

また、現担当者に対して影響力を持つ他の公務員に対しても、間接的に利害関係者であるとみなされ、接触は制限されます。

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